2011年2月13日

SCRAP 企画の ONE PIECE メディア横断キャンペーン実施中!


2月頭から、集英社が「ONE PIECE 2億冊突破記念キャンペーン」として、一大キャンペーンを打っていますが、その中で、メディア横断企画「ビブルの秘宝」「ビブルクエスト」が実施されています。

そもそも、「ルフィの秘宝」と題して、集英社が2月に発売する全ての雑誌でワンピースの付録もしくは懸賞をつけるというキャンペーンが実施中です。「ビブルの秘宝」では、さらに、それらの雑誌(一部を除く)に「ビブルスコープ」というはがき大の穴あきのシートを綴じ込み、それをワンピースの単行本コミックの特定のページにあてると現れるキーワードを見つけさせる、という企画となっています。キーワードは、単体で懸賞応募の条件となっている他、「ビブルクエスト」でのキャラクターのアンロックコードにもなっています。


一方、「ビブルクエスト」は、Webブラウザ上で遊べるアドベンチャーゲームです。このゲームは、プレイヤーが最初に選んだ5人の仲間の組み合わせで、その後の進行が全て決まってしまうのが特徴です。旅は様々な理由で失敗するため、仲間の能力をよく考えて、正しい組み合わせを試行錯誤するのがゲームになっています。ここでの肝は、最初は選べるキャラクターは限られており、キーワードを入力することで、キャラが1人ずつ増えていくという点です。ここがトランスメディアの要となっています。

このキャンペーン、とても良くできていますので、もう少し全体的な構造について補足します。



懸賞での導引はひとまず置いておくとして、そもそも「ビブルクエスト」の出来が非常に良く、ユーザにクリアしたいという気持ちを起こさせる作りとなっています。クリアするには、ロックされて使用できないキャラを、アンロックしなければなりません。

アンロック条件として、まず主役級のキャラは「ビブルの秘宝」で得られるキーワードでアンロックされるため、「ビブルスコープ」を手に入れるためにどれかの雑誌を買わねばなりません。全ての雑誌共通で、主人公のルフィは自動的にキーワードが見つかりアンロックできますが、他の主役級キャラは、ワンピースの単行本コミックを持っていないとアンロックできません。ここで、最新巻ではなく途中の巻を見るように指示されますので、しまい込んでいたワンピースの旧巻を取り出してきたり、友達から借りたり、という形でワンピースの話題がアクティブになります。

また、主役級以外のキャラクターのアンロック条件として、各誌ごとに異なるキーワードが埋め込まれています。こちらは、穴あきシートを当てる必要はないため、ただ店頭で立ち読みするだけでもOKとなっています。しかし、ジャンプやジャンプスクエアのように、ワンピースファンが普段読んでいそうな雑誌だけでなく、りぼん・マーガレットといった女性向けの漫画雑誌から、メンズノンノやマリソルといったファッション誌、はてはプレイボーイまで、幅広い雑誌全てに散らばっていますので、普段の購買行動と異なる所にアテンションをもたらす構造となっています。実際、近くの本屋で、小学生くらいの男の子2人組が月刊コバルトを探しまわっているという不思議な光景を目にしました。また、雑誌以外でも、関連サイトにキーワードを埋め込むことで、キーワード探しという動機付けによって、関連サイトへの誘導を行っています。


なお、雑誌は店頭に並んでいる時間が短いため、週ごとに4段階にキャンペーンを分けて対応しています。「ビブルスコープ」も雑誌の発売週ごと計4種類を用意しています(イラストだけ違うものはさらに何種類かあります)。「ビブルクエスト」も、いきなり全部がクリアされないよう、1週間ごとに新しいステージが公開される仕組みになっており、1ヶ月間、興味を継続させるようになっています。キャラクターのアンロック条件に関しては、当該誌が店頭で見つかりにくくなるタイミングで、ワンピースファンであれば調べたらすぐに分かるようなヒントを追加することで、雑誌の賞味期限に巧みに対応しています。

「ビブルクエスト」では、ステージクリア時に通過順位が表示することで、追加ヒントを待たずに雑誌などをチェックして早めに解きたいという気持ちを誘導しているようです。ちなみに、2/12時点で2つのステージが公開されていますが、第1ステージで1万人強、第2ステージでも5000人強の通過者が登録されているようでした。

なお、SCRAP の Web ページの情報 によると、「ビブルの秘宝」と「ビブルスコープ」の企画・謎作成は SCRAP が担当しているとのこと。「ビブルスコープ」の出来の良さにも納得です。

まだ2週間はキャンペーンが続きますので、ご興味のある方は、一度キャンペーンに挑戦してみてはいかがでしょうか。

(なお、最初知ったときには、全ての雑誌で、穴あきシートでキーワードが出てくるようなページを作り込んだのかと、とてもエキサイトしたのですが、(当然ですが)そんなことはありませんでした。また、複数のページに適用可能な穴あきシートといっても、適用する先によって異なる穴を使うように指示されていたりと、作りやすさ優先で制作しているようです。残念)

記事元
「ONE PIECE 2億冊突破記念キャンペーン」公式サイト
SCRAP Web ページでの告知

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