2019年9月13日

【ミニニュース 2019/09/13】マーダーミステリー専門店が新宿にオープン/死にながら情報を残す『リアルFIFTEEN 開かずの間』

マーダーミステリーの専門店『Rabbithole』新宿にオープン

最近ブームの兆しがあるゲーム『マーダーミステリー』。
殺人などの事件が起きたシナリオが用意され、参加者は物語の登場人物となって犯人を探し出す(犯人役の人は逃げ切る)事を目的として会話をしながら進める、ライブ感の強い体験型ゲームです。

今までもボードゲーム専門店を中心にイベントが開催されてきましたが、ついにマーダーミステリー専門店『Rabbithole』が新宿に登場しました。

画像:Rabbithole公式サイトより


現在、オープニング公演として『双子島神楽歌』というマーダーミステリーが開催されていますが、通常の公演は軒並み満席のようで、人気のほどがうかがえます。
ARG情報局的にはなぜ名前がラビットホール※なのか、微妙にモヤモヤするのですが、とにかくもいつでもマーダーミステリーが楽しめるようになったということで、マーダーミステリーの人気に拍車がかかるのではないでしょうか。

また、『Rabbithole』に連動するように、マーダーミステリーの情報サイト『トリプルエム』も開設されています。
こちらは、『Rabbithole』関連のイベントに限らず、マーダーミステリーの情報を広く網羅しているので、マーダーミステリーの最新情報を知りたい方はこちらも要チェックです!

※「ラビットホール」はARGでよく使われる用語です。元ネタは『不思議の国のアリス』の、アリスがウサギを追いかけて現実世界から不思議の世界へ入り込んでしまうウサギの穴(ラビットホール)の事です。そこから、現実世界に仕掛けられたARGの物語に迷い込む最初の仕掛けを「ラビットホール」と呼んでいる訳です。 

【関連リンク】

■死にながら情報を残せ!『リアルFIFTEEN 開かずの間』

2019/9/6~9/8に熱海で行われたイベント『TRPGフェスティバル2019』で、非常に楽しそうなイベント『リアルFIFTEEN 開かずの間』が開催されたので、紹介したいと思います。
ある旅館の一室。そこは、かつて忌まわしい「事件」
が起きて以来、その扉を閉ざされてしまった「開かずの間」だ。
あなたは旅館で行われるイベントに参加している。料
理は美味しく、風呂は最高。旅を存分に堪能している時
──「それ」は起こった。
変死する参加者。旅館を出ても付きまとう影。かつてあっ
た「事件」の残滓。そして──開け放たれていた「開かず
の間」。
これは、旅館にいた人々全てに掛けられた呪いだ──!
あなたは、生還の望みをかけて「開かずの間」の謎に挑む
こととなる。(TRPGフェスティバル公式サイトより)
ということで、イベントは以下のルールで行われました。
  • このゲームは「15分間」のタイムリミットで行う謎解き&脱出ゲームです。
  • ただし謎は極めて難解であり、初見では絶対に15分で解くことはできません。
  • 代わりに、部屋で得たあらゆる情報は外へ持ち帰り、自由に相談・検索・SNSの利用等を行い、解を導きだすことができます。
  • 15分以内に謎を解けなかった場合は「死亡」した扱いとなりますが、1,000Gを使用するたびに何度でも再チャレンジ可能です。
  • 3日間で、誰か一人でも真相に辿り着けば企画は終了。参加した全員の勝利となります。そう──この謎は、TRPGフェスの参加者へ突きつけられた「挑戦状」なのです!
簡単に言うと、情報共有を前提とした協力型謎解きということになります。
部屋で「死んだ」人たちが情報を持ち帰り、その情報を元に次の挑戦者たちがクリアに挑んでいきます。
部屋を探索して難易度の高い謎解きに挑むという点ではルーム型の脱出ゲーム、情報を共有して集合知で解いていくという部分はARGに近いでしょうか。

残念ながら石川は現地で体験できた訳ではないのですが、とにかくTwitterからその楽しさが伝わってきます。


果たして参加者たちは3日間のあいだに真相にたどり着くことができたのか?
イベントのツイートはTogetterにまとめられていますので、ぜひこの楽しそうなイベントの流れを追ってみてください。私も参加してみたかった!


 【関連リンク】
    (文章:石川淳一)

    2019年9月11日

    ARパズルゲーム型アート展「おくびょうキュリオと孤独な絵描き」体験レポート



    池袋PARCOで9月29日まで開催中のARパズルゲーム型アート展「おくびょうキュリオと孤独な絵描き」を体験しました。制作はAR謎解きゲームの「渋谷パラレルパラドックス」を開発したENDROLL社。今作は謎解きではなく、ARを使った立体パズルなのですが、周遊×ARに物語体験を載せる試みとして興味深い事例でしたので、レポートします。

    池袋PARCOの8階にある特設ブースで980円を支払うと、キュリオの専用ARアプリを起動するパスコードを教えてもらえるので、そのARアプリを使ってPARCO内の周遊を行う——というのが体験の流れですが、本作は、現実とARの世界を物語でつなぐことを丁寧に行っているのが一つの特徴だと感じました。

    なお、体験するには、iOS12.0以上が入ったiPhone7以降の端末が必要ですので、お気をつけください。500円で対応端末を借りられます。

    2019年9月9日

    CEDEC講演『トランスメディアストーリーテリングから学ぶ「ゲームで物語る」手法 2019』レポート


    CEDEC 2019 において、ARG情報局の編集人でもある石川淳一さんが『トランスメディアストーリーテリングから学ぶ「ゲームで物語る」手法 2019』と題した講演を行いました。

    Transmedia Storytelling 自体は、関連の洋書が数多く出版され、全米のプロデューサによる組合のPGAが2010年に Transmedia Producer というクレジットを定義する(英語記事)など、欧米においてある程度の歴史がある概念ですが、国内にはほとんど紹介されてこなかったこともあり、貴重な講演となりました。

    客席は立ち見が出るほどの超満席で、入れなかった方もいらっしゃったようです。
    参加できなかった方は、4Gamer.netの記事がとてもわかりやすく講演内容をまとめていますので、ぜひご覧ください。

    また、SlideShareに講演資料が上がっていますので、以下に貼っておきます。
    60分で語りきれないほどの大量の事例が載っていますので、ご一読いただけば、様々な発想を刺激されること間違いなしです。




    2019年9月7日

    ARG情報局10周年に寄せて



    2009年9月7日にスタートしたARG情報局は、本日10周年を迎えました。

    節目ということで、スタートの記事を書いた当人である @epi_x が、ARG情報局を取り巻くこの10年間を振り返ってみたいと思います。(つまりは、10周年にかこつけて、大手を振って昔語りをするという記事です!)

    2019年9月1日

    【お知らせ】9/4「CEDEC2019」登壇のご案内

    ギリギリのお知らせになって申し訳ございませんが、2019年9月4日(水)に横浜で開催されるゲーム開発者向けカンファレンス『CEDEC2019』にて

    『トランスメディアストーリーテリングから学ぶ「ゲームで物語る」手法 2019』

    というタイトルでARG情報局編集人の石川が登壇いたします。

    トランスメディアストーリーテリングとは、複数のメディアを縦断して物語を伝える手法で、もちろんARGはその代表となります。

    セッションでは事例紹介が中心になりますが、デジタルゲームが絡んでいるものに限らず、一般のARGや、グッズ販売型のARG、謎解きゲーム、イマーシブシアター、インタラクティブアート、書籍、映画等々、いろんなジャンルでのトランスメディアストーリーテリング事例をこれでもかというくらい紹介したいと思っています。

    ゲームの開発者向けカンファレンスですので、参加費はそれなりにかかりますが、興味のある方はぜひご来場ください。

    なお、「平日の昼間に横浜なんか行けるかよ!」という方には、ビデオ配信で期間内にいつでも見る事ができる「タイムシフトパス」という素晴らしいパスもございます。
    石川のセッション1本のために購入は少々お高いかもしれませんが、CEDEC20019のほとんどのセッションがこれ1つで見ることができますので、ぜひご検討ください(笑)

    (文章:石川淳一)

    2019年8月16日

    【ミニニュース 2019/08/16】街をゲームブックで冒険する『演劇クエスト』/Perfumeゆかりの地でポスターを探す『#Pcubed_P』

    ■江東区をゲームブック形式で冒険する『演劇クエスト・メトロポリスの秘宝』



    東京都現代美術館では2019年8月3日〜10月20日の間『MOT サテライト 2019 ひろがる地図』という展覧会を開催していますが、その中で『演劇クエスト・メトロポリスの秘宝』という街歩きゲームの企画が行われています。

    これは、展覧会を基点にゲームブック形式で江東区の周辺を回る周遊型イベントになっています。
    制作はorangcosong(藤原ちから&住吉山実里)+進士 遙のユニット。
    不勉強で知らなかったのですが、『演劇クエスト』シリーズはすでに何作も作られていて、日本だけでなく、海外でも展開されているそうです。


    上の写真で分かるように、ゲームブックはかなり本格的な冊子です。
    (英語も収録されているから実際のボリュームはこの1/2ですが、それでも結構な量)
    そして、このボリュームでありながら、何と冊子は無料なのです!

    この冊子のパラグラフをゲームブックのように移動先で参照しながら街を歩いていく訳です。(スタートのパラグラフは『 ひろがる地図』展の中にもあります)



    石川も少しだけやってみましたが、面白いと思ったのは現実の場所を物語で見立てており、それによって場所に別の意味が生まれていること。
    「あそこにはスパイがいるぞ、気をつけろ」と言われるとちょっとコソコソするし、「あの建物は司令室だ」と言われるとそんな気がしてくる。
    謎解きのために場所を無機質に消費するのではなく、周遊が進むにつれて、いろんな場所にこの物語ならではの意味が浮かび上がっているのが興味深かったです。

    また、ゲームブックの構造も、街歩きでしかできないギミックがいくつか組み入れられていて、単に街歩きのためだけに安易にゲームブックにしたのではない、ゲームブック愛を感じました。

    なお、謎解きクラスタのためのアドバイスを以下のTwitterでまとめたので、これからチャレンジしようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。



    【関連リンク】

    ■Perfumeの撮り下ろしポスターを探す「#Pcubed_P」始動

    2019年9/18に発売されるPerfumeのベスト盤『Perfume The Best “P Cubed”』に合わせ、「#Pcubed_P」というプロジェクトがスタートしています。


    これは、Perfume結成20年間のゆかりの地に、撮り下ろし、絵柄違いのグラフィックポスターを8月12日からベスト版発売日の9月18日まで各所に掲出するというもの。
    その場所のヒントは特設サイトに順次掲載されるようです。

    画像:「Perfume The Best “P Cubed”」特設サイトより http://www.perfume-web.jp/cam/best-pcubed/

    そして、発見したポスターの写真を、「#Pcubed_P」のハッシュタグとポスターナンバー「#pcp??」をつけてTwitterで投稿すると、「Perfume The Best “P Cubed”」特設サイトの地図上でも投稿者が撮影したポスターの写真が反映されていきます。

    彼女たちのデビューの地である広島から1枚目のポスター掲示がスタートし、8/15現在では4枚のポスターが発見されているようです。デビュー20年間の足跡を巡るような形で展開されるのでしょうか。


    場所のヒントは謎解きクラスタには易しすぎるかもしれませんが、そもそもPerfumeファンだったら、ヒントなしでも聖地にポスターが掲示されたらすぐ発見しそうな気がしますね(笑)。

    【関連リンク】
    (文章:石川淳一)

    2019年8月2日

    Twitterを使ったイマーシブシアター補完の試み『speakeasy OZ presents GRAND OPENING PARTY』

    2019/07/28に都内某所で行われたイマーシブシアター『speakeasy OZ presents GRAND OPENING PARTY』。
    1回の参加者20名、4回のみ公演という小規模な舞台ではありましたが、逆に小規模なりの試みをTwitterを絡ませることで行っていたので、簡単に紹介したいと思います。

    1つはネタバレ完全OKだということ。
    今後の再演が予定されていないこともあってか、公演で起こった事について、すべてオープンにしてよいとの姿勢です。



    もともと、複数の物語の流れがあるイマーシブシアターは複数回数参加しないと、その全容が分かりにくいのが欠点です。
    今やイマーシブシアターの代表格と言えるニューヨークの『Sleep No More』では、元ホテルのビルをまるまる貸し切り。1回の公演の中で同じ内容が複数回行われ、かつ常設公演なので二度目以降の参加の敷居も低く、複数の流れがあってもそれなりに楽しむ事ができます。

    しかし、『Sleep No More』のような形態を取れる公演はめったになく、多くのイマーシブシアターは限られた期間、限られた広さの中で上演するしかない訳です。
    そうなってくると、複数回参加したくてもチケットが売り切れたり、スケジュールの都合で参加できない場合が起きやすく、結局物語の全容が分からないままという事態になりかねません。

    今回Twitterでのネタバレが全面OKになったおかげで、当日見れなかった他のルートの情報を参加者からフォローしてもらい、ある程度の内容をTwitter上で知ることができます。もちろん没入感は大幅に落ちますが、他ルートを見れずにもやっとした気持ちを抱えたままであるよりはよほどいいのではないでしょうか。



    もう1つは、お芝居と絡む形でTwitterを使ってトランスメディア的に物語を補完している点です。
    会場のサイズや予算規模から同時多発的なイベントが限られる小イベントでは、会場だけでできる物語の広がりはどうしても限られてしまいます。『speakeasy OZ presents GRAND OPENING PARTY』でも、使われる場所は、観客が通常入れないステージを含め4カ所しかありません。

    https://twitter.com/BarOz2019/status/1150731755357425667より

    その中で物語の幅を広げるための一つのアプローチとしてTwitterが使われている訳です。



    詳しい流れはtogetterにまとめていますので、興味ある方はそちらをご覧ください。

    これらの試みも含めイマーシブシアターとして成功しているかといえば、正直、上手くいってない部分も多々あったとは思います。
    しかし、ようやく活発になってきた日本のイマーシブシアターでこのようなチャレンジした意義はあるのではないでしょうか。

    『speakeasy OZ』では10月に次の公演があるようですが、今回の経験を活かして、より素晴らしいイマーシブシアターが開催されることを期待しています。

     【関連リンク】
    (文章:石川淳一)