2019年4月15日

これぞ大人の宝探し!「究極の宝探し」体験記

2018年の11月~12月に開催された Takarush Extreme Club (TEC) 会員限定の「究極の宝探し」が、非常に尖った、まさに究極の宝探しエンタテインメントでしたので、ぜひご紹介せねばという使命感に突き動かされ、久々に体験記を投稿します。

先にご紹介しておきますと、この「究極の宝探し」の新作をプレイできる TEC 2期会員が現在募集中。4月22日締め切りです。


究極の宝探しは、昨今の、良くも悪くも安定してきた体験型謎解きゲームに一石を投じる体験型宝探し。

何がスゴいかといえば:
  • 参加費1万円(正確には TEC 会費)
  • 賞金10万円!(抽選で10名)
  • 60分公演ではありえない、突き放した難易度!!(制限時間は2ヶ月)
  • お住まいによっては、賞金を余裕で越えていく交通費!!!(宝の現地は日本のどこか)
  • うっかりすると危険と隣り合わせのスリリングな探索!!!!(大人の自己責任で)
  • そして訪れる、発見の感動!!!!!
これだけでは、具体的なスゴさが分からないですよね。
ということで、ネタバレの許可はでていますので、第1期「究極の宝探し」こと「Takarush Extreme Club Extreme Mission Vol.1 [DRAGON MESSAGE]」のツラみと喜びを順を追ってご紹介させてください。



始まりは、ある日、自宅に届いた宅配便。品名は「宝の地図」。


中からは、40cm四方の「黒竜の書」が現れました。岩に巻き付く怪しげな龍の姿と、謎の暗号。まさに、宝の地図です!

早速解き明かしていきましょう。写真では見えにくいですが、縦横に薄く引かれた罫線と、端に描かれたカラフルな月、そして象形文字。
うーん。。。と悩む過程は省略して、輪になった暗号から以下の文言が出てきます。(詳細は忍びいろはを参照)

つきがひらくりゅうのしまで
傳左をさがし
こくりゅうをかかげよ
はくりゅうはそこにあらわれる

ここで、龍の背後に描かれた文様にピピピっと来なくてはいけませんでした。
外側の文様は、龍が多く祀られ、開運でも知られる江ノ島の江島神社社紋。そして、内側の白い文様は、江ノ島にある中村屋羊羹店(旧名:傳左)の紋だったのです。

ということで、最初に行くべき場所は、江ノ島。
店で黒竜の書を見せることで、次の手がかりである「白竜の書」の巻物を入手できました。


しかし、ここまでは、いわば、肩慣らしのチュートリアル。
中村屋羊羹店で記念にお買い物をすると、店員さんから「西に向かえ」とだけ告げられます。(こういう情報の出し方素敵です)

そう、江ノ島からさらに西へ。本当の宝探しは、ここから始まったのです。


次の目的地を探すために、この「白竜の書」を読み解いていきましょう。
右側の文章は何やら難解ですが、左側の絵はとてもわかりやすい。
地図です! しかも赤いバツ印まで付いています。
地図にバツ印が付いていたら、なにはともあれ行ってみるしかありません。

しかし、わかっているのは縮尺も不明な海岸線らしき地図だけ。
ここがどこか絞り込む方法はないのでしょうか。

ヒントは2つありました。
一つは、最初に手に入れた「黒竜の書」にて龍が巻き付いている岩。これが実は、上下をひっくり返すと、伊豆半島にぴったり重なります。現地は伊豆半島で間違いないでしょう。

もう一つは、「白竜の書」の地図の、海岸線が一部薄くなっているという特徴的な描き方。月への言及の多さと「形を変える」という表現から、潮の満ち引きで道が現れたり消えたりする「トンボロ(陸繋島)」が連想されます。

ここまでヒントがあれば現地特定はすぐです。
優秀なトレジャーハンターは、この海岸線が、伊豆半島の堂ヶ島と一致することに気づきます。
トレジャーハンターすごい。そして、現地遠い。



さて、ここでインターネットを駆使して念入りに現地の事前調査を行うトレジャーハンターたちは困惑します。
地図の×が付いているあたりは崖になっていて、陸側はどうやら私有地のようなのです。
可能性があるとすれば、海側。

季節は11月。冬の海です。
しかし、そこに宝の手がかりがあるのなら、トレジャーハンターに、行かないという選択肢はない。


装備を調えて・・・


準備は万端!


ということで、やってきました冬の堂ヶ島。素晴らしい眺めです。


地図を見る限り、この磯のあたりがバツ印なのですが・・・。
ん? 暗いですが、よく目をこらすと・・・。




なんかある!!?

ということで、いそいそと長靴に履き替え、いざ海へ。(危険ですので、海の探索は自己責任にて)

磯をざっぶんざっぶん渡って、崖下にぽっかりできた空間を進んでいくと・・・。



!!
岩ですよ。岩。
岩に掘られた黒竜と、同じく岩に掘られた怪しい図が見つかりました。

いつものタカラッシュさんだったら、プラスチック製の宝箱とか、パネルがあるところですが、岩です。
これぞ究極の宝探し。作り物感が出るノイズを徹底排除です。

持ち去り対策は、岩(自重)という潔さ。
(後日、設置と撤収がとても大変だったと伺いました……)

ちなみに、この季節の昼の潮位がどんどん高くなることに気づいた私は、11月上旬の平日に(会社を休んで)飛んできたため、実は、かなり潮位のコンディションが良くてコレです。
多くのトレジャーハンターは、潮位が膝上や腰などの状況でのチャレンジとなったはず。
夜だとぐっと潮位は低くなるんですが、夜の海は本当に危ないので、いのちだいじに。

他の参加者さんの探索時の様子のツイートを参考までに引用しておきます。



実際、この海に入っての探索は、参加者の中でも賛否分かれた部分だと聞きます。

しかし、探索場所の情報を収集して、タイミングを計算し、装備を整えて宝を探すのも、宝探しの醍醐味です。
命の危険が伴う探索はほどほどにしていただきたいですが、大人が自己責任の範囲だと思える中での宝探し(物理)であれば、個人的にはアリではないかと思っております。次回もどんな体験ができるのか楽しみです。

話が横に逸れました。宝探しに戻りましょう。
岩に彫られた手がかりを見ると、目と小を繋いだ線に、大からまっすぐ伸ばした線が交わる場所に鳥居があるようです。
鳥居だけ色が付いていますし、きっとここが次の目的地でしょう。

というところで、実はとても詰まってしまいました。
大と小というのは、大室山と小室山、目は龍眼寺であって、交わる場所は伊東駅周辺であることまではすぐに検討が付いたのですが、そこから先がどん詰まりです。

最終的には伊東駅周辺の神社を総当りまでしても何も見つけることができずに、かなりの時間を空費したのですが、ここではその苦労は割愛して、正しいルートをご紹介しましょう。

伊東駅の少し北に、その名もズバリ龍神社があります。


当然、まっさきに探索した神社であったのですが、探索が足りてなかったのでした。
ここに次の情報があったのです。


おわかりになりますでしょうか。写真左下、境内の片隅に無造作に置かれた石盆。


こちらに溜まった水やら落ち葉を捨てると……。


!!?

白竜の書で「社の側で鏡の裏を見よ」と指示されていますので、水鏡の裏(底)を見ないといけなかったのでしょう。
探索力が問われています。とてもつらい。

さて、このメッセージの解釈が次の問題です。
火偏に赤は、「黒竜の書」の地図上の特定のマス目を示しているようです。下田のあたりですね。

一方で、「最大の印を刻め」が難問でした。
江ノ島から伊豆、という今回の流れを歴史的な側面からきちんと調査していると、すぐに閃けたのかもしれません。

江ノ島も伊豆も、実は北条氏とゆかりのある土地です。江島神社の社紋の中にあるトライフォース・・・じゃなかった、三角形が3つ並んだ文様は、北条氏の家紋の「三つ鱗」です。
その北条氏の家紋の中には、(使い分けには諸説ありますが)平べったいバージョンもあります。それを「白竜の書」の文字の部分に一番大きく描いてみると、こうなりました。


真ん中の白く抜かれている三角形の部分の文字を縦に読んでいくと、「龍宮の社の裏」。

下田エリアで龍宮といえば、龍宮窟。そこには龍王社という小さな社があります。
その裏が、最終の目的地でした。


ということで、やってきました、龍宮窟。
本来の見どころである美しい侵食洞窟を横目に、社へ。


ここからお宝を見つけるまでは、動画でどうぞ。



動画ではあっさり見つけてしまっていますが、驚きポイントが複数ありました。

  • 最終現地に石灯籠があった。しかも、月の文様などみると、明らかに今回のために用意された特注品。頭おかしい(ほめことば)。
  • 石灯籠の中に、赤い玉が! これもなかなか高そう……。
  • しかし、ここであなたは気づかないといけませんでした。「白竜の書」には「宝は赤い満月が陰る天に」とあったことを。
  • ということで、玉(=赤い満月)自体が目的の宝なのではなく、そのさらに上に隠されていると判断して、見つけないといけなかったわけです。
  • 石灯籠のてっぺんって、外れるんですね……。

余談ですが、期間終了後、スタッフの方が撤収に行ったところ、石灯籠の周りには小銭が散らばっていたそうです。新しい信仰が生まれた瞬間でした。

それはさておき、この見つけた宝物の写真を撮って、会員ページから報告すると、見事、宝発見!となりました。


以上、駆け足でしたが、第1回の究極の宝探しのレポートでした。
探索時のツラさや、発見の喜びなど、少しでも伝わっていれば幸いです。

60分で解けるように丁寧に作られている謎解きイベントと比べて、この宝探しは、解けないときは徹底的に詰まりますし、時間とお金をかけて現地に行っても何も進捗が生まれないリスクさえあります。しかし、その分、宝を見つけたときの達成感は何者にも代えがたい。それが「究極の宝探し」です。

なにより、タカラッシュの齊藤代表が心底楽しんで作ってらっしゃる感じが、細部のこだわりから、遊び手にも伝わってきます。
地図や伝承、歴史などを紐解きながら宝の場所を推理し、時には見知らぬ土地を楽しみながら足で稼いで宝を探す。そんな大人の遊びもいいんじゃないか、と思われた方は、ぜひ Takarush Extreme Club 2期会員に申し込んで、会員特典の究極の宝探しを堪能してください!

なお、難しすぎてぜんぜん進めない人も続出した初回を反省してか、今回から、賞金対象となる3ヶ月の探索期間が終わった後に、ヒント付きで宝探しを楽しめる期間が設けられるようです。安心して参加出来ますね。

4月22日まで募集中の第2期では、半年に2コースの究極の宝探しが予定されています。レギュラー会員には、ランダムでどちらか1コースの宝の地図が、プラチナ会員には2コースともの宝の地図が送られてきます。

いよいよ5月から始まる次の「究極の宝探し」、今回はどんな「究極」を体験できるのか、今から楽しみです!

(謝辞)
記事中の写真の一部は、参加者のMARINAさん・あやさんからご提供いただきました。MARINAさんの書かれた究極の宝探し体験記もたいへん読み応えがありますので、ぜひどうぞ。

(文章:@epi_x

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