2022年3月21日

国産ARG『Project:;COLD 1.8』事件編スタート!


Team Project:;COLD による、不可逆性SNSミステリー『Project:;COLD 1.8』が始まりました!

2020年から翌年にかけて開催された『Project:;COLD 1』(開始時の紹介記事, 解決編の紹介記事)は、公式発表で10万人以上が参加したARG(代替現実ゲーム)でした。その続編となる今作が、2022年3月1日から1ヶ月の期間でスタートしています。

3月19日からいよいよ事件編がスタートしましたので、現在までの流れと、これからの見所をご紹介します。

『Project:;COLD』とは


公式サイトの説明を引用します。

「Project:;COLD」は、
総監督・藤澤仁、キャラクターデザイン・望月けい、映像監督・川サキケンジ、
キャスティング&プランニング・AGRS / 杉田智和をはじめとする豪華制作陣が贈る、
視聴者参加型の次世代ミステリーです。

あなたは、未解決事件となるはずだった
数々の事件の目撃者となり、
100年後の未来に生きる探偵「イオリ・ハートフィールド」や
事件の関係者、そして他の融解班(視聴者の呼称)と協力し、
物語の登場人物の一人として、
事件の解決を目指すことになります。

本作はARG(代替現実ゲーム)と呼ばれるゲームの一種でもあり、
TwitterやYouTubeといった私たちの日常世界を舞台に
物語がリアルタイムに展開。
仮想と現実が交錯し、あなたの日常を侵食していく、
人生で一度しか体験できないコンテンツです。

ARGを自称しているという点でも、プレイ体験の本質から見ても、国産ARGと胸を張ってご紹介できる作品です。

『Project:;COLD 1.8』2つのパート


『Project:;COLD 1.8』は2つのパートが同時に展開しています。

みやまんパート



1つは前作『Project:;COLD case.613』のヒロインである「都まんじゅう」の面々の1年後を描く「みやまん」パート。こちらは、高校を卒業してそれぞれの道を歩んでいる6人が、大学の春休みのタイミングで改めてTwitterでフォロワーと交流しながら、「都まんじゅう」を解散するかどうかを考えるというテーマで、3月1日からスタートしています。

見所は、とにかく6人が元気にツイートし続けていること。3月1日からのツイートをまとめたTogetterを見ていただければと思いますが、朝は9時から深夜0時まで、何気ない日常を投稿し、時には悩みをつぶやき、時にはフォロワーとリプライで交流するという、普通の日常ツイートを6人が毎日し続けているということ自体が、ARG事例としてもかなり異例です。

積極的にキャラクターがTwitterで交流した他の過去事例として、メグミとタイヨウ Tweet Love Storyがありますが、それでも毎日時間帯を区切った上で、1人だけが対応していました。今作のように、個性を持った6人のツイートをリプライも含めて朝から晩までし続けるというのは、それだけで偉業です。

この「みやまん」パートは、基本的には、6人と交流するということ自体が体験の中心です。一応、インタラクティブな要素として週1回くらいのペースで、彼女たちのお悩みに対してリプライや投票で相談に乗るというイベントが発生しており、その結果により、彼女たちの行動が少しだけ変わっているようです。一度下した選択は遡ってやり直せないというのも、リアルタイム進行ならではですね。

月末には、彼女たちのガールズバンド「都まんじゅう」を存続するか解散するかという決断が待っています。ぜひ、それまでの間に彼女たちと交流を楽しんでください。

ちなみに、今回も週1のペースでYouTubeが更新されていますが、前作では3Dモデルのキャラクターが動く動画だったのが、今回は声のみでの出演となっています。服着せ替えるだけでも3Dモデルはたいへんですからね……。

case.633


ARG体験としての本命がこちらの case.633 です。100年後の探偵「イオリ・ハートフィールド」が(未来から見ての)過去の未解決事件をプレイヤーと共に解決していくという Project:;COLD の本筋となります。


「彼女に死が迫っている」「彼女を監視せよ」という動画が投稿され、その動画の末尾に映っていたURLから、誰かのスマートフォンの中身が見れるようになります。


これがまた良くできていたのですが、それはそれとして、ここから、「彼女」の撮った写真や、誰かとやりとりしたメッセージ、そして、日記が確認できました。明らかにハラスメントを受けているメッセージに、不穏な日記、そして写真アルバムに紛れ込む怪しい儀式の様子……。

やがて、「彼女」こと榊明日美の Twitter アカウントも判明し、その厭世的なつぶやきから、不穏さはさらに増していきます。

そして、3/16 早朝。


しかし、流れ星に止めてもらえなかった彼女は、死の儀式を決行してしまいました。


この事件こそ、case.633 であり、プレイヤーが止めるべき惨劇です。

これまでのミッション・発見要素


ストーリーに関わることから関わらないことまで、大小様々な仕込みがされていることでも定評のある『Project:;COLD』。今回の 1.8 でのそうした要素を少しご紹介しましょう。

予告画像に隠された情報


『Project:;COLD 1.8』の予告画像のバーコードを CODE39 という規格で読むと、「IAMC」(私はC)というメッセージが出てきました。



また、背景の赤にうっすら何か見えることに気づいて、色を調整すると……。


「C」のアイコンが出てきました。何気ない画像に情報を仕込む「ステガノグラフィ」という手法の一種ですね。

ミッションの本筋では無いところに様々な仕込みがあるのも、『Project:;COLD』の特徴です。

監視者動画からTwitterアカウントの発見まで



最後の ROT13 は、海外 ARG でも多用される定番の暗号手法です。

動画のノイズに隠されたメッセージ


上で紹介した『惨劇の五芒星事件』のニュース動画にもノイズの形でメッセージが仕込まれていました。


こちらも、本筋には影響しない、高難易度の未来人メッセージ解読ミッションです。ビックベン暗号っぽいが、0とdとfだけ例外というところがポイントですね。ここまで解き筋を減らした謎解きでも、13時間で解かれる、というのがアクティブ参加者数千人規模の謎解きの温度感です。

学校サイトのパスワード


教師のTwitterアカウントを見つけて、つぶやきからパスワードを見つけ出すというミッションでした。


特定の謎解き知識ではなく、一般知識を使って誰もが挑戦できるミッションです。

ただ、謎解き知識が不要なだけで難易度自体は高いミッションですので、解けずに停滞感が出ていました。そのタイミングで、先生が追加のつぶやきをして、それがヒントになるという、リアルタイム進行ならではのできごとも。

case.633 の今後と楽しみ方


実のところ、今回は、公式がかなり丁寧に遊び方の導入をしてくれています。

事件発生と共に、プレイヤーに近い立場で事件を調査する、未来人好きの女子高校生「C」が登場しました。


「C」が作成したサイトでは、事件の調査状況が即座にまとめられていきます。


また、今回は、考察Discordサーバが設けられています。ここは、「C」も参加する物語内の場という扱い。

これらを見るだけでも ARG としてかなりの熱量で運用されていることがわかります。すばらしいですね。

参加するには、基本的には、「C」のTwitter を追って、「C」のサイトを見て、Discordの「#今起こっていること」をチェックすれば、追いつける構造になっています。

予告通りなら3月末には終わってしまう貴重な機会です。人生で一度しか体験できない、このリアルタイムに進行する物語を、ぜひ楽しんでください。

参考情報


参考までに、Twitter上で流れている情報のうち、公式アカウントのツイート・RTの中で重要なものの抜粋と、事件後に見つかった事件現場の学校の関係者のツイートをまとめたものをご用意していますので、ご利用くださいませ。特に、公式アカウントが素晴らしく運用されていますので、前者を一読するだけで全容がわかります。本当に本作は公式の動きが素晴らしいです。(従来型のARGの考え方としては、物語の外にある公式アカウントが前に出るのは望ましくはないのですが、わかりやすさは正義です)

更新履歴

(2022/03/21 更新) これまで出た謎解き・ミッションについて追記しました。


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