2021年1月31日

『Project:;COLD case.613』探偵登場で、いよいよ解決編へ


始動したタイミングの記事でもご紹介した『Project;:COLD case.613』ですが、3ヶ月近い出題編が終わり、ついに探偵が登場。事件解決編が始まりました。この「不可逆性SNSミステリー」は、今からが一番面白いところですので、駆け足で現状のご紹介です!

これまでのおさらい

2020年11月1日に、佐久間ヒカリという女子高生がツイートを始めたところから『Project;:COLD case.613』はスタートします。彼女は平塚市の高校生。11月下旬の文化祭に出演するガールズバンド「都まんじゅう」のPRのための Twitter デビューでした。

文化祭までの1ヶ月弱の期間は、6人のバンドメンバーが徐々に Twitter 上で自己紹介をしながら、ほのぼのと進行していきます。そして、文化祭も無事に終わり、せっかく作った Twitter アカウントをどうしようかと話しているのもつかの間、11月27日に事態は急変します。なんと、佐久間ヒカリが死んでしまったのです。

残された5人のバンドメンバーは、死の直前に興味本位で調べていた「血の人形・再来事件」の呪いが原因であると信じ、フォロワー(=プレイヤー)に解決を依頼します。そして、プレイヤーたちが、30年前に起こった本家血の人形事件の際に残されていたという謎や暗号を解き明かして、呪いを解く方法を見つける——というところまでが、以前の記事でもご紹介した12月1週目までの出来事でした。

これで事件は解決したと安心して元の生活に戻ろうとする5人ですが、ヒカリの死の13日後である12月10日に次の悲劇が襲います。5人の中の1人、岩永静も死んだのです。そして、それから13日周期で、一人、また一人と都まんじゅうのメンバーに死が訪れます。犯人を捜そうと仲間を疑うもの、ただ、心を閉ざすもの。様々な人間模様を描きながら、2021年1月18日に、5人目が死亡。最後に遺された青島玲子は、1月22日に遺言めいたものをつぶやきながら外を彷徨う様子を YouTube Live で配信している最中に事故死します。こうして、都まんじゅうの6人は全員死の運命から逃れられなかったのでした。

この期間、融解班(プレイヤーたちの呼称)は、なんとか彼女たちの死の連鎖を止めようと懸命に解決策を模索し、Twitter 上で彼女たちに声をかけ続けます。時には彼女たちからも融解班へリプライで反応があるのですが、しかし、まるではじめから定められていたかのように、彼女たちの行動は頑なで、全員の死という結末になってしまいました。

この間、いくつか仕込まれていた謎解き的な要素に関しては、公式のまとめがありますので、ご興味がありましたら、ご参照ください。


『case.611』

都まんじゅうの悲劇が進行していた2020年12月下旬、VR空間上のお祭り「Virtual Market」内で、別の物語である『Project:;COLD case.611』が進んでいました。

Vketの各ワールド上にひっそりと掲出されていた8枚のポスター。そこには犯罪に巻き込まれたひとりの15才の少女の手記が書かれていました。また、Vket内の大型ビジョンでは、殺人事件があり、被害者の娘が凶器に指紋を残して行方不明であるというニュースが流れています。

そして、Project:;COLDのスポンサーブースには、VR空間内に謎の5桁錠が設置されていました。


12月30日に大型ビジョンで出題された謎を解き明かすと、この5桁錠の鍵番号が分かり、それを入力することで、VR空間内に新たな部屋が出現して、秘められし事件の真実にたどり着くことができました。

そして、おそらく、プレイヤー達が真実を解き明かしたことにより、運命が変化し、大型ビジョンでは、殺人事件の真犯人が捕まった、とのニュース映像が流れます。

事件が一件落着してからしばらくして、以前に別経路から発見されていた謎の @binarycity_i という Twitter アカウント経由で、パスワードのかかったドキュメントが公開されました。
注目すべきは捜査協力のお礼の画像で、ここで初めて、Project:;COLD は、100年後の未来の探偵が、現代の未解決事件を解決しようとしているという構造であることが明らかにされました。

Virtual Market で扱われた事件は case.611 であり、case.613 とナンバリングされた都まんじゅうの事件も同じ構造であることが推察されます。Project:;COLD は複数の case(事件)の集合体だったんですね。

case.611 の詳細は有志の方がまとめた解説動画をご参照ください。

満を持しての探偵の登場

さて、話を case.613 に戻しましょう。都まんじゅう全員に死が訪れた2日後、都まんじゅうのYouTubeチャンネルで謎の配信が始まります。そこで満を持して登場したのが100年後の探偵、イオリ・ハートフィールドです。

彼女は過去の未解決事件を調査している自称探偵で、「パストハッキング」という技術によって未来と現在のネットワークをつないでいます。この技術での過去干渉は、通常は歴史の修正力により無かったことにされますが、「銀の弾丸」と呼ばれるキーアイテムを、運命が分岐するポイントに的確に打ち込むことができれば、過去を変えられるのだ、とイオリは説明します。

その、運命が分岐するポイントを割り出すために探偵が必要としているのが、whodunitとwhydunit。すなわち、誰が、なぜ、この事件を起こしているか。これらの情報を調べ上げることができれば、一度は死の運命にとらわれた彼女たち全員を救えるのです。

ただし、タイミリミットがあります。銀の弾丸で干渉できるのは、イオリの居る未来からちょうど100年前の同日まで。時間のずれ方の微妙な違いから、例えば、2020年11月22日に干渉したければ、イオリの居る時間が2120年11月22日となる現実世界の2021年2月7日がタイムリミットとなります。

記事執筆時点では、融解班の力で、静と奈々乃のスマートフォンのデータにアクセスできるようになり、いよいよ黒幕の正体に迫る情報が1/31(日)20:00に公開されるのを待っているところです。
これまでの鬱憤を晴らしてくれるような、怒濤の展開があるのでしょうか。楽しみですね!

最短で追いつく方法

最後に、都まんじゅうに興味を持ってくださった方に、最短ステップで追いつく方法をご紹介しましょう。

キャスティング担当としてクレジットされている声優の杉田智和さんがナレーションをしている5分で分かるまとめ動画がありますので、まずはこちらから入るのが分かりやすいです。


概要をつかんだら、探偵が初登場した公式動画をご覧ください。


これで依頼内容については完璧です。

なお、これまでの事件の流れは、ちょっと長いですが、公式サイトの STORY で関係者のツイートがフェイズ毎にまとめられているので、こちらを見ていただくのが良いでしょう。

現在のミッションに関しては、現在、探偵のイオリ・ハートフィールドが乗っ取っているTwitterアカウント @hikari_miyaman の最新ツイートを参照してください。

Project:;COLD の素晴らしさ(≒予算があるって素晴らしい……!)

長期間実施されるARGは、情報が複数のメディアに断片化されるというARGの特徴から、途中から参加したプレイヤーによる後追いが、困難になりやすいという特性があります。

その点、Project:;COLD では、以下のようなフォローアップ体制が組まれています。これは本当に素晴らしいことです。

・フェイズ毎に作成される杉田智和さんの5分間まとめ動画
・公式サイト上での遊び方ガイド
・公式サイト上での謎解きミッションまとめ

完璧です。今後のARG的な長期コンテンツは、まずはこのレベルで揃えることを前提にして、まとめにきちんと予算を割いていただきたいと切に願うものであります。

また、遊び方ガイドの後ろの方にもリストがありますが、ねとらぼKAI-YOUなどの各ネットメディアや、あるごめとりいキリンといった都市伝説系・考察系YouTuberの動画として、この事件に言及し、考察する多くのコンテンツがネット上に上がっています。特に月刊ムーのサイトに重量級の考察記事が上がっているのは、アツいですね!

各ネットメディアにつながりのあるプロモーションチームが、しっかりとコミュニケーションを取っていることがうかがわれますし、ペイドな紹介コンテンツ制作に予算もかなりかけなければ、これだけの記事と動画は揃いません。

現状、ジャンルが成立していない(=明確なファン層が存在していない)ARG的なコンテンツでは、「既存のファン層へリーチするように、いつもの媒体で広告を出す」という一般的なアプローチができないため、プロモーションプランはたいへん難しくなります。気分はバズマーケティングを仕掛けている感じなんですが、エンタメコンテンツの一般的なプロモーションの仕方ではないですよね……。そうした難しい状況下で、本作のプロモーションは巧みに実施されていると感じています。
(コンテンツのトンマナと合わない、没入感をそぐような強引なプロモーションも一部見受けられますが、新しいジャンルなだけに、なかなか難しい話かと思います)

適切に予算と手間をかけたプロモーションと、SNSミステリーというコンテンツ自体の魅力の相乗効果で、2020年11月に新規IPとして立ち上がった本作が、3ヶ月後の1月末時点で公式Twitterアカウントのフォロワーが4.4万人、YouTube「みやまんチャンネル」が登録者数で3万人超、累計視聴回数では100万再生超という実績を出しています。アクティブ率も高く、探偵が登場した生放送では同時視聴が1万人を超えていました。すごいですね。

2001年に英語圏でARGの始祖「The Beast」が熱狂的に受け入れられてから20年。ようやく、日本でも(適切な予算をかければ)ARGは受け入れられるのであるという実績が示されそうで、ワクワクしています。

これから解決編という一番気持ちいいパートが来るはずです。リアルタイムで体験するなら、今がチャンス! これだけ予算がかけられたARG的なコンテンツを体験できる機会は非常に貴重ですので、お見逃し無く。

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