2015年12月9日

【ミニニュース】Nianticが日本法人を設立/謎解きLIVE早くも次の新作が

■Nianticが日本法人を設立

『Ingress』でおなじみのNianticが日本法人 株式会社ナイアンティックを設立しました。
発表&設立記念パーティ関係で目に付いた記事のリンクを貼っておきます。
こうなると、ますます『Pokemon GO』に合わせた日本語でのARG展開に期待したいところですが・・・

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■『謎解きLIVE』次回は2016年1/23,24『四角館の密室殺人事件』

TVを見ながらミステリーの謎解きに挑戦できるNHK-BSの人気番組『謎解きLIVE』。
今までは1年に1回のペースだったのですが、なんと前作から半年後の登場です。人気があるのでしょうね。

今回の最大の見所は何といってもミステリー作家の綾辻行人氏が脚本を担当していること。タイトルにも『館』が入っており、綾辻作品のファンにはたまらない内容になりそうです。
そして、出演者の1人には『逆転裁判』の巧舟氏が!
期待の放映日は2016年1月23、24日です。

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2015年11月25日

【ミニニュース】真実が分かるのは100年後!? ビデオゲームのプロモARG紹介記事

ゲームニュースサイトgamesparkで「【特集】『壮大に仕組まれたARG』―ユーザーへの挑戦状!」というタイトルの記事が掲載されています。



この記事ではビデオゲームのプロモーションARGの中から、有名な『Halo 2』の「I Love Bees」から私も初めて知るものまで、特に長期間にわたって仕込まれた4本のARGが紹介されています。

日本ではほとんど紹介されたことのないARGも紹介されており、非常に貴重な記事だと思います。
また、ビデオゲームのプロモーションを考えている人にとっても、とても参考になるのではないでしょうか。
最近、こういった日本語での海外ARG事例紹介が増えてきて喜ばしいですね。

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(文章 石川淳一)

2015年10月27日

【ミニニュース】ネットを騒がせている黒い暗号ビデオ、 マクゴニガル姉妹のトークイベント

■ネットを騒がせている黒い暗号ビデオ

Gizmodoジャパンに「ネットを騒がせている黒い暗号ビデオ」というタイトルで、ARGと思われる事件が紹介されています。
進行中のARGの情報が日本語で読めるのは貴重だと思いますのでリンクを紹介させていただきます。

なお、紹介元となったGadgetZZの記事には、その後のアップデート情報も逐次追加されているようですので、興味をもった方はこちらも見れば現在の進行状況が分かると思います。




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■マクゴニガル姉妹のトークイベント

ジェイン・マクゴニガルの新刊『スーパーベターになろう!』と、双子のお姉さんのケリー・ マクゴニガルの新刊『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』の出版を記念して、11/18に東京でトークイベントが行われるとのこと。

スーパーベターになろう!
ジェイン マクゴニガル
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ジェイン・マクゴニガルはARGやシリアスゲームの第一人者ですが、今回の『スーパーベターになろう!』は、前作『幸せな未来は「ゲーム」が創る』やTEDで紹介されていた日常をゲームに変える方法にフォーカスが当てられたもののようです。

チケットは¥6,000とやや高価ですが、日本で話を聞く機会はなかなかないと思いますので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。

また、『スーパーベター』については英語版ですがスマホアプリもあるので、これを機会にダウンロードしてみるのもいいかもしれません。


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(文章 石川淳一)

2015年10月13日

【国内ニュース】伝説の恋愛ゲームをみんなで"思い出す"「つんでれサミット」

「ラブプラス」シリーズのプロデューサーとして知られている内田明理(@Akari_Uchida)さんは、DSの中のカノジョと熱海旅行しようという「熱海ラブプラス現象(まつり)(ASCII.jp)」を仕掛けるなど、ARG界隈からも注目されることの多いゲーム制作者でした。
そんな内田さんが株式会社ウチダアカリ代表として最初に取り組まれているのが、ソーシャル型キャラクターIP制作プロジェクト「みんなで作る。Superつんでれ©(ちゃん)」です。

詳しくは「つんでれサミット ルール説明企画書」を読んでいただければと思いますが、「つんでれサミット」という隔週放送のニコニコ生放送を舞台に、伝説の恋愛ゲーム「Superツンデレ©(ちゃん)」を視聴者と一緒に思い出そう、というもの。

例えば、「つんでれ©の秘密とは?」というお題に対して、視聴者が"思い出した"ことをコメントにいろいろ書いていきます。


「回転寿司のスシ○ーの店員だった」というコメントに視聴者が「そうそう」と言い出したら、実際に内田さんがスシ○ーさんに交渉に行きます。


こんな調子で視聴者が"思い出した"ことでIPを形作っていき、最終的に本当にゲーム化の声が上がれば勝ち、というプロジェクトです。

さっそく10月13日(火)の22:00から「第一回 つんでれサミット つんでれCのデザインってだいたいこれであってたっけ?」があるようです。ぜひ、告白成功率0.01%の伝説の恋愛ゲームをみんなで一緒に思い出しましょう!

ちなみに、放送がないときでも、Twitter の #tsundelle で「思い出す」ツイートをすると「つんでれcカード」の画像がもらえるようです。0から始まったプロジェクトですが、さっそくかなり賑わっていますね。どこまで育っていくのか、楽しみです!

(文章:@epi_x)

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Twitter: @tsundelle_c, @Akari_Uchida
つんでれチャンネル(内田明理) - ニコニコチャンネル

2015年10月12日

【ミニニュース】Ingressの公式小説が出版/モンストでアニメ連動謎解き

■『Ingress』の日本初となる公式小説が出版
星海社から『Ingress』の日本初となる公式小説『イングレス ザ・ナイアンティック・プロジェクト』が10/27(火)に出版されるとのこと。

ARG的な側面も魅力の1つである『Ingress』ですが、日本においては言葉の壁もあって、あまりその方面での楽しみ方ができない状況でした。
今回の小説で『Ingress』の代替現実的な面白さを知るきっかけになればと思います。
しかも、監訳はARGへの造詣も深い土屋つかさ氏ということで、出版が楽しみです!

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■『モンスターストライク』でアニメと連動した「解放の呪文」
アニメ化決定と共にいろいろな謎解きが仕掛けされていた『モンスターストライク』ですが、アニメ開始に合わせて、アニメと連動した「解放の呪文」という企画がスタートしています。
これは、アニメ内に出てくる謎を解いてスマホゲーム側の「その他」メニューにある「アニメ/解放の呪文」に入力すると、特典アイテムがもらえるというもの。

アニメ内でも「解放の呪文」を入力するシーンがあって、同じ言葉を入れるとプレイヤーも同じモンスターを召喚できるあたりが現実世界を侵食していて(しかもそれを実現するのはやはり架空世界であるゲーム上というのは)おもしろいですね。

謎はぱっと見ただけで分かるレベルから、動画を見返さないと見逃してしまいそうなものまで、いろいろと用意されているようです。
今回のアニメはTVではなくYouTube配信という配信方法をとっており、ゲームアプリからもすぐに見ることができますし、動画を見返すことも簡単なので、今回のアニメの特性を活かした謎提示と言えるでしょう。

アニメ版のストーリー・プロジェクト構成がイシイ ジロウ氏ということもあり、単なる謎解きに終わらないおもしろい仕掛けをさらにしてくるのではないかと期待したいところです。

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(文章 石川淳一)


2015年9月9日

【ARG的ブックガイド】謎解き絵本の魅力

今回はARGの参考になる本として、謎解き絵本を紹介したいと思います。古いものが多いので見つけにくいかとは思いますが、古書店などで見かけたらぜひ手に入れてみてください。

●『仮面舞踏会』著:キット・ウィリアムズ、 訳:坂根 厳夫




1979年に発行されたイギリスの謎解き絵本です。
ストーリーは要約すると、月の女神が太陽の神に愛の告白をするため、金の首飾りを作って、野ウサギにそれ託すというものです。この野ウサギ、金の首飾りを太陽の元へ届けるため、火の中、水の中、大冒険を繰り広げるのですが、ようやく太陽の元へたどり着いたと思ったら、金の首飾りをうっかり落としてしまったことに気がつきます。この金の首飾りはいったいどこへいってしまったんでしょうか……?

さて、この金の首飾り、実は本の裏表紙に写真が掲載されています。
そう、実在するのです。この首飾りは著者によって、地球上のどこかに埋められており、絵本のところどころに隠されている多くの謎をすべて解き明かすと、その詳細な隠し場所が出てくるという仕掛けになっています。当時、世界各国で翻訳出版され、世界中でこの金の首飾りを探す宝探しブームが巻き起こったそうです。
誰がどのようにこの首飾りを見つけたかはここでは敢えて解説しませんが、とっても夢があって面白い試みの絵本ですよね。


●『?(書名を探す絵本)』著:キット・ウィリアムズ、 訳:坂根 厳夫


こちらはなんとも意味深なタイトルですが、上記の『仮面舞踏会』と同じ作者による謎解き絵本第2弾です。1984年発行。今度はなんとタイトルが存在せず、本の中の謎を解くとそのタイトルが分かるという仕掛けです。表紙は美しい宝石で飾られた蜂の巣型の木箱の写真になっているのですが、謎を解き、さらに作者からの難題に答えた人の中から1人にこの木箱が贈られたそうです。

もちろん謎解き絵本としても面白いですが、美しい挿絵を眺めているだけでも楽しい、素敵な絵本です。これらの素晴らしい絵、寄木細工、謎解きなどすべてを作り上げたキット・ウィリアムズがどんな人なのか気になるかと思います。角川書店から発行された日本語版の巻末の解説は必見です。


●『魔術師タンタロンの12の難題』著:スティーブ ジャクソン、 訳:柿沼 瑛子



イギリスのゲームデザイナーで、ゲームブック『火吹山の魔法使い』や『ソーサリー』四部作、ミニチュアゲーム『ウォーハンマー』で有名なゲームズワークショップ社を設立したスティーブ・ジャクソンによる傑作謎解き絵本です。(TRPG『ガープス』の作者として有名なアメリカのゲームデザイナー、スティーブ・ジャクソンは同名の別人です。)

海を荒らす悪魔魚に、宝を守るドラゴン、呪いでカエルに変えられた王子など、様々な問題に見舞われたガランタリア王国を救うため、宮廷魔術師タンタロンはこの12の難題を解決できる冒険者を求め、国中に告知を出します。あなたはそれに応えた冒険者の1人で、その知力の限りを尽くし、すべての難題に挑戦します。果たしてあなたはこの王国を救うことができるでしょうか?

上記の『仮面舞踏会』や『?(書名を探す絵本)』と違って見開き2ページごとにパズルが登場します。1つずつクエストを問いていく形式ですので、RPGのような達成感があります。また、12の難題を正しく解いた者だけが挑戦できる最後の問題もあります。驚きの展開が待っていますので、ぜひ自分の目で確かめてみてください。ただし、日本語版は残念なことにこの最後の問題にバグがあるようなので、ネット上の解説などを参考に解いてみることをお勧めします。

●『クエスト・ブック 魂の宝箱と12の呪文』著:イアン・リビングストン、 訳:安田 均



上記のスティーブ・ジャクソンと一緒にゲームズ・ワークショップを設立し、共著で『火吹山の魔法使い』を執筆したイアン・リビングストンの謎解き絵本です。彼の著作だと『死のワナの地下迷宮』(Deathtrap Dungeon)などが有名で、日本では2008年にHJ文庫Gから『デストラップ・ダンジョン』としてリメイクされています。ライトノベル風のイラストが付いて、若い人でも読みやすくなっているのでそちらを読んでみるのもいいと思います。

こちらは上記の『魔術師タンタロンの12の難題』に近い構成ですが、人間世界に侵攻してきたデーモン軍と人間との戦いのストーリーが12枚のイラストともに展開されます。


謎解き絵本にはこのほかに日本のリアル脱出ゲームのSCRAPさんが作った『幽霊城からの脱出』というものもあります。こちらは比較的手に入りやすいかと思いますので、興味がある方はぜひ挑戦してみてください。


(文章:H.M.)

2015年9月2日

【海外ニュース】ナイアンティック・ラボのARゲームだけではない!『ENDGAME』の全容

『ENDGAME』といえば、『Ingress』で日本でも有名なナイアンティック・ラボが新たな位置情報ゲーム、ARゲームを製作、そのβテスト登録が行われるということで2015年3月頃には日本でもけっこう話題になりました。しかしながら、『ENDGAME』のプロジェクトは多岐にわたっており、その全容を紹介した記事はあまり見かけません。
そこで、今回はそれらを紹介したいと思います。

まずは、先日「ARG情報局」でも第2部の出版予定を紹介した小説版。
小説は著者ジェームズ・フライとニルス・ジョンソン=シェルトンが、出版社(米国ではハーパー・コリンズ)を中心となって展開しています。小説内の謎を中心に賞金総額50万ドルを争う、前例で言えば『サーティーナイン・クルーズ』や『キャシーの日記』の系譜に連なるARG小説です。第1部が『ENDGAME: THE CALLING』(これは日本でも同時翻訳されました)、第2部が今秋に出版予定の『ENDGAME: SKY KEY』です。


その小説と世界観を同一にしながらも独自の展開をしているのが、ナイアンティック・ラボが制作しているふたつのタイトルです。まず、ひとつめがインターネットを中心に映像や資料などを基に物語と謎を追う王道ARGとも言える『ENDGAME: ANCIENT TRUTH』です。こちらはつい最近、2015年7月末にゲームが終わりました。



ふたつめがIngressのシステムを元にARゲームとして、今秋にリリースが予定されている『ENDGAME:PROVING GROUND』です。前述したように日本で『ENDGAME』が取り上げられる場合、このゲームのことを指している場合が多いです。
こちらは今年の3月からベータテストへの登録が始まっていますが、もともとGoogle謹製ということでGoogle+のアカウントで、上記の『ANCIENT TRUTH』とユーザーアカウントを同一にしています。つまり、ベータテストの参加=ANCIENT TRUTHへの参加だったわけです。なお、実際には『ANCIENT TRUTH』の謎解きで上位に入ったプレイヤーに優先的にベータテストの承認が行われるとナイアンティックは明言しています。


これ以外に20世紀FOXで映画化の話も進んでいるはずですが、こちらはまだほとんど情報がない状況です。
ひょっとしたら小説の1作目でARG、2作目でARゲーム、3作目(完結)で映画と連動という流れを考えているのかもしれません。

いかがだったでしょうか?
今秋は『ENDGAME: SKY KEY』の出版と、(予定通りなら)『ENDGAME:PROVING GROUND』のリリースが行われ、『ENDGAME』2度目の盛り上がりが期待されます。

『ENDGAME: SKY KEY』の日本での翻訳や、『ENDGAME:PROVING GROUND』が『Ingress』のように日本語化されるのかは不明ですが、ぜひ期待したいところです。
(文章:石川 淳一 情報協力:澤田 典宏)

関連リンク
The Opening Chapters of James Frey's Sky Key: Endgame
エンドゲーム コーリング(小説)日本語版サイト
ARG『ENDGAME: ANCIENT TRUTH』公式サイト
ARG『ENDGAME: ANCIENT TRUTH』Twitter(ARGの製作現場写真がたくさん紹介されています)
ナイアンティックラボ公式サイト

2015年8月3日

【ミニニュース】小説版『Endgame』続編の冒頭部分(英語)公開、3D小説「bell」の交流会

■小説版『Endgame』続編の冒頭部分(ただし英語)が公開


『Ingress』で一躍有名になったナイアンティック・ラボがプロジェクトに参加していることでも話題になっているARG『Endgame』。そのプロジェクトの一端である小説『エンドゲーム コーリング』は昨年日本でも原著発売と同時に翻訳され話題となりました。

その続編となる『
Sky Key: An Endgame Novel』がアメリカで2015年10月に発売されます。現在、その冒頭部分が公開されています。
はたして、2巻も日本で翻訳されるのか、そしてスマホゲーム版のスタートはいつか。期待が高まります


関連リンク
The Opening Chapters of James Frey's Sky Key: Endgame
Endgame: Ancient Societies(ゲーム)公式サイト(英語)
エンドゲーム コーリング(小説)日本語版サイト



3D小説「bell」の交流会がこの夏開催

以前ARG情報局でも紹介し、第3部の開始が待たれる『3D小説 bell』ですが、このたび読者に向けて2015年8月16日(日)にオフィシャル交流会が開かれるそうです。



交流会では「運営に聞いてみた!」「運営と遊ぼう! スペシャル」「善行発表会」「小道具展示コーナー」など、この作品ならではのイベントが企画されているようです。

残念ながら第3部のスタートはまだ時間がかかりそうな様子ですが、この交流会でファンの方々の熱い思いを運営の方にぶつけてみてはいかがでしょうか。


関連リンク
3D小説「bell」交流会2015夏 告知サイト
3D小説 公式サイト

2015年7月23日

懸賞金100万円の不動産・住宅情報サイト『HOME'S』×大逆転裁判コラボキャンペーン「ホームズくん失踪事件」が実施中

以前ARG情報局のミニニュースとして紹介したWホームズキャンペーン(ARG情報局の記事)の全貌が明らかになりました。


そしてキャンペーン開始日の7月16日に、ホームズくんが何者かによって連れ去られてしまいます。(連れ去られる様子はキャンペーンサイト内の動画で確認することができます)



現在のサイトは「ホームズくん失踪事件」と題したものになっており、大逆転裁判のシャーロック・ホームズとともにホームズくんを捜索するためのミッションをクリアしてく謎解きキャンペーンへ変わっています。

サイト内では以下のようなゲーム説明が記載されています。
動画で提示されたヒントを手がかりにHOME'Sの物件検索を模した検索システムを通じてホームズくんの手がかりがある物件を特定していくようですね。


普段はおすすめ物件情報をつぶやいているホームズくんのTwitterも、連れ去られて以降は犯人の目を盗んでヒントをつぶやいているようです。サイト内で提示されたパズルを解いていく謎解き系のWebキャンペーンと違い、実際にホームズくんが何者かに連れ去られた体で進行する点、キャンペーンサイト内のみならずサイト外にある現実世界と地続きの情報もミッション突破の手がかりになっている点でARG的な要素を色濃く含んだキャンペーンと言えそうです。



最後までたどりつくと懸賞金の100万円が当たる抽選に応募可能となっているようです(※応募期限は2015年8月13日11時59分まで)。




関連リンク
ホームズくん失踪事件 キャンペーンサイト
ホームズくん公式Twitter
3DS専用ゲーム「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險‐」公式サイト

2015年7月22日

【ARG的ブックガイド】ゲームデザイナー向け翻訳本とARG

偶然だとは思いますが、そんなに数の多くないゲームデザイナー向けの翻訳本で、限定的ながらARGについて触れているものが立て続けに2冊出ましたので紹介したいと思います。

中ヒットに導くゲームデザイン
Tracy Fullerton
ボーンデジタル
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まずは『中ヒットに導くゲームデザイン』。ゲームデザインを総合的に網羅した書籍ですが、「デザイナーの視点」いうコラムがあり、その中にARGのゲームデザイナーであるJane McGonigalとElan Leeがどのようにゲームデザインを考えているかの記事が掲載されています。
コラムは各2ページと決して多くはないですが(あと、翻訳が今一つこなれていない感がありますが)、特にElan Leeが『I Love Bee』の3週目の失敗について書いた内容は興味深いです。


ゲームデザイナーのための空間設計 歴史的建造物から学ぶレベルデザイン
クリストファー・トッテン Christopher W. Totten
ボーンデジタル
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2冊目は『ゲームデザイナーのための空間設計 歴史的建築物から学ぶレベルデザイン』。
日本でレベルデザインの本が出るのも珍しいですが、その第11章が「現実世界を舞台にしたレベルデザイン」という内容で、ARGなど現実空間を舞台にしたゲームの考察を行っています。
レベルデザインの視点からのかなり専門的な分析なので、初心者が即ARGに活かすのは難しい内容ですが、その分歯ごたえのある考察になっています。

いずれの書籍も、ARGのためだけに買うには分量の割に高すぎる本ですが、ゲームデザインそのものにも興味がある方は、非常に役に立つ内容が満載なのでオススメです。
(文章:石川淳一)


2015年7月11日

【ミニニュース】今年も謎解きLIVE放映、Wホームズキャンペーンに謎の予告状

ちょっと更新の間隔が空いてしまいました、ごめんなさい。
今回のミニニュースはまもなく始まるイベント2つの紹介です。


■BSプレミアムで今年も『謎解きLIVE』放映

ミステリーの謎解きが楽しめる参加型TV番組、NHK・BSプレミアムの『謎解きLIVE』。
一昨年の『英国式ウイークエンド殺人事件』、昨年の『忍びの里殺人事件』に続き、今年も『美白島殺人事件』が7/18(土)、7/19(日)に放映されます。
今回の原作はミステリー作家の我孫子武丸氏。そして
現場検証にバーチャルリアリティー技術も導入されるとのことで、さらなるパワーアップが期待されます。

関連リンク
BSプレミアム『謎解きLIVE』公式サイト


■Wホームズコラボキャンペーンに謎の予告状が


 逆転裁判シリーズ最新作「大逆転裁判」と物件情報のHOME'Sのタイアップキャンペーン『Wホームズコラボキャンペーン』。
7/16(木)のスタートを前にキャンペーンサイトがオープンしていますが、昨日、
謎の予告状が貼り付けられました。はたして、7/16に何が起こるのでしょうか。

関連リンク
『Wホームズコラボキャンペーン』公式サイト

(文章:石川淳一)

2015年6月20日

【ARG的ブックガイド】『フィニィ128のひみつ』

フィニイ128のひみつ (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
紺野 あきちか
早川書房
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結構古い本になりますが、ARGに興味のある人には楽しめそうな内容なのでご紹介します。
ハヤカワSFシリーズ・Jコレクションで、著者は 紺野 あきちか。

以下、Amazonにあった紹介文です。

『亡くなった叔父が遺したことば―「フィニイ128のひみつ」。その謎を追うわたしに届いたのは、熱狂的な参加者たちが全世界で展開するノンヴァーチャル・ライヴRPG『W&W』への誘いだった。剣と魔法にタイムトラベルと何でもありの設定をもとに、さまざまな派閥が相争う壮大なる“ごっこ遊び”。“光の戦士”となったわたしは、混沌とした虚構世界の危機を救うべく、いつしか奇妙な使命感に囚われはじめていた…。』

この物語、主人公の叔父さんが残した「フィニィ128」という謎の言葉を解き明かすため、主人公が行動を起こしていくのですが、次第に事件に巻き込まれ、『W&W』というライブRPGにその謎が関係していると分かります。不本意ながら主人公はそのゲームに参加し、調査を進めていくのですが、現実世界が次第に虚構のはずのゲームに侵食され……という展開になっていきます。

『W&W』では、架空の歴史年表や新聞記事が作られており、ARGが好きな人は思わずにやりとするかもしれません。この『W&W』というゲームは世界規模で展開されているゲームという設定で、こんなARGが本当にあったら、楽しいだろうなと思います。

文章全体がゲームブックのように細かい章分けがされており、章の数字は16進数で進んでいき最後は80、つまり、10進数の128で終わります。
ところどころ意味深な数字が出て来たり、思わせ振りな描写も多く、この本に隠された『ひみつ』については色々な説があるようです。
まあエンターテイメントなので、作者が意図してなかったとしても、面白い解釈で楽しんだ者勝ちかと思います。

ライブRPGについては、日本でも毎年夏にJGCというイベントで開催されていたり、フリーウェアゲーム製作で有名なアンディーメンテ主催の『Peace Island Park』という素敵なイベントがあったりします。
なかなか開催数が少ないですが、チャンスがあれば参加してみてはいかがでしょうか。

(文章:H.M.)

2015年6月17日

【ミニニュース】小説の後書きでARGの解説、映画『GAMBA』で参加型コンテンツ 他

またまた新しいコーナーです。ミニニュースという形で、速報的な情報をまとめて取り上げていこうと思います。

小説『人狼ゲーム CRAZY LIKE A FOX 』の後書きでARGの解説

人狼ゲーム CRAZY LIKE A FOX (竹書房文庫)
川上 亮
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小説『人狼ゲーム CRAZY LIKE A FOX 』の後書きで、作家&ゲームデザイナーの土屋つかささんが小説の内容に関連してARGを解説しています。簡潔で解りやすくまとまった内容ですので、「ARGってどんなものか今一つ解らない」という人にもお勧めです。


『GAMBA ガンバと仲間たち』で参加型のスペシャルコンテンツ


昔のアニメとはまったく違ったキャラデザインで話題になっている映画『GAMBA ガンバと仲間たち』ですが、何やら参加型のキャンペーンを行っているようです。

雑誌『シアターガイド』で「今劇場で“謎解きがアツい!”」

シアターガイド 2015年 07 月号 [雑誌]

モーニング・デスク (2015-06-02)

演劇関係の雑誌『シアターガイド』の2015年7月号で「今劇場で“謎解きがアツい!”」という4ページの記事が組まれています。
謎解き要素のある参加型の演劇とお笑いライブが1つずつ紹介されており、『ミステリーナイト』E-Pin企画の城島さん、『リアル脱出ゲーム』SCRAPの加藤さんのインタビューも掲載されています。



雑誌『ブレーン』で「記憶に残る「体験」のデザイン」


ブレーン 2015年 07 月号 [雑誌]

宣伝会議 (2015-06-01)

マーケティングやプロモーションの雑誌『ブレーン』2015年7月号の特集は「記憶に残る「体験」のデザイン」。
ARGや体験型ゲームを扱ったものではないですが、ユーザーの体験感という点で参考になるイベントの事例がたくさん掲載されています。ゲーム関係のイベントですと、
『ドラゴンクエストヒーローズ』のプロモーションとして新宿駅で行われた「スライム10万匹討伐戦」なども取り上げられています。

(文章:石川淳一)

2015年6月10日

【海外ニュース】海外ARG事情紹介 2015夏

日本では、なかなかARGという形では定着しないまま、最初のブームから軽く5年ほど経過しました。もっとも、日本での低迷を横目に、北米ではこの間も様々なARGが実施されていました。そこで今回は、自分なりに把握している最近の北米ARGプレイヤーの動向や海外ARGをご紹介します。

■北米では、なんでもARGです。

ARGに関する情報では老舗のARGNet(http://www.argn.com/)を見ていただければ一目瞭然なのですが、北米では、いわゆる公演型の脱出ゲームや、街歩き型の謎解きラリーもすべてARGというカテゴリ内で語られています。これは、北米がいくつかのARGから流行が始まったことに対して、日本ではSCRAPさんのリアル脱出ゲームが流行の起点となったことによるからです。そして北米のARG動向を読み解く上で、実はここが大きなポイントです。

■短いARGもいいけど、ガッツリ遊べるARGはないの?

先ほど、体感型の謎解きゲーム全般が北米ではARGの1種類として認識されていると書きました。北米のARGプレイヤーは、これらの体感型謎解きゲームのうち、特にWebを中心に実施されるものを「ショートターム=短期ARG」とか「(体験の浅い)トランスメディアキャンペーン」と呼んでいます。(SCRAPさん系の形式は総じて "Escape Room Games" と呼んでいます)
最近は映画やテレビドラマの予告ARGの多くが、このショートタームARGと呼ばれる範疇に納まっており、北米のARGプレイヤーの間でも定期的に「オレはショートタームARGで遊びたいんじゃなくて、物語と連続性がありそうな凝ったARGで遊びたいんだよ!」という叫び声が投稿されます。このあたりの予算と実施の兼ね合いは日本より良い環境にあるとは言え、北米でも大きくは変わらないようです。

■北米ARGの発端は、やはりゲーム!映画!テレビドラマ!

最後に、僕が少し前からここ最近まで追いかけている海外のARGやARG的な仕掛けをご紹介しておきます。なお、現在のARGを語る上で筆頭に挙げられるであろう Ingressについては専門家が無数、いらっしゃいますので割愛します。

●テレビドラマ『Sherlock(シャーロック)』の登場人物Webサイト

ARGではなく、ARG的な手法の事例です。番組は、NHKその他でも放送され、人気も高い英BBC制作のテレビドラマですね。登場人物たちが更新しているWebサイトとして、ドラマ内にも何度か出ており、シリーズ序盤に話題性を持たせると共にドラマの世界観を現実にリンクさせる役割を果たしました。シリーズが売れてからは更新や追加がなくなってしまったことが残念です。
シャーロック・ホームズのサイト http://www.thescienceofdeduction.co.uk/
ジョン・ワトソンのブログ http://www.johnwatsonblog.co.uk/
法医学者モリーのブログ http://www.mollyhooper.co.uk/
第3話の被害者の公式サイト http://www.connieprince.co.uk/

●Hunt the Truth

ARGの歴史に残る名ARG "I Love Bess" で知られるマイクロソフト社のビデオゲーム『Halo 5: Guardians』のARGとして2015年の3月に開始された、ARGの要素をすべて盛り込んだ王道ARGです。今回のゲームはtumblr上に設けられたジャーナリスト "Benjamin Giraud" のページから始まりました。物語はエピソード00から始まり、2015年6月現在でエピソード11が実施中です。サウンドクラウドを活用するなど、新しいメディアの取り込みもぬかりなく、現在もっともスケールの大きなARGと言えるでしょう。
Benjamin Giraud の tumblr http://huntthetruth.tumblr.com/

●Batman: Arkham Knight

バットマンとARGと言えば、どうしても映画『Dark Knight』時に実施されたARG "Why so serious?" が挙げられてしまうのですが、こちらは2015年7月に発売されるビデオゲーム『バットマン アーカム・ナイト』のティーザームービー内に仕掛けられた暗号パズルで完結するショートタームARGです。とは言え、暗号が表示されるフレームはわずか1フレームと普通では見つけられないこと、暗号のデコードが難しかったことから、海外のARGプレイヤーの間で話題となりました。E3で次の動きがあるといいんですがねぇ。
Batman: Arkham Knight Trailer https://youtu.be/Ax2edKdZRxg
ネタバレ映像 https://youtu.be/O0EYhaRx3LE

●Who is Mr. Robot

USA Networkで2015年6月24日からシーズン1の放送が始まるテレビドラマ『Mr. Robot』のティーザーサイトで展開されている(現在のところは)ショートタームARGです。番組の内容が、昼はサイバーセキュリティエンジニア、夜はそのエンジニアスキルを使ってハッカーと化す主人公の周囲で発生する様々な事件を追う、サイコスリラーということもあり、こちらのサイトでも、そんなドラマの設定が反映されています。なお初期は情報量が抑えられていましたが、少しずつ増えています。
whoismrrobot http://www.whoismrrobot.com/
USA Network上の番組ページ(一部映像は再生できません) http://www.usanetwork.com/mrrobot
YouTubeの番組チャンネル https://www.youtube.com/channel/UCX5R2xqZWND8nJqGTvel3nw

●Junko Junsui

実はこちらのARGは、最近のものではありません。ゲームの開始は2009年。"Junko" と自らを呼ぶ女性が、Facebookの友達申請と同時に不可思議なメッセージを送り始めました。複製されたGoogleの検索ページには、ロシアと思われる場所の小部屋に囚われた彼女の妹がおり、ARGプレイヤーは彼女の妹を救うために様々な活動に取り組みました。セカンドライフ内で発見されたボット。様々な民族の歴史と神話の解析。暗号解読の数々。しかし、それらの活動は、2010年に突然の終わりを迎えます。削除されたすべての履歴、それを保管しようとするプレイヤーたちの活動。ゲームはそのまま終わるはずでした。
状況が変化したのは5年後の2014年10月。公開されたiPadアプリ "ALFA-ARKIV"には "Junko"に関する様々な資料が収録されていました。開発元へのリンク先は謎の映像につながっており、ウィキリークスには関連するALFA-CIPHERの記事がありました。秘匿暗号、ロシアの秘密組織、 暗躍するテロリスト。世相を反映した世界観は、確実に現実と虚構を境界線を打ち消そうとしてきます。ある意味、もっともARGらしいARGと言えるでしょう。
ALFA-ARKIV for iPad説明映像 https://vimeo.com/102361389
Wikileaksのページ http://wikileaks.las-sgg.cl/alfa-cipher.html


ARG情報局へのひさびさの寄稿は、なかなかの長文となってしまいました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(文章:澤田 典宏)

2015年6月2日

【ARGとの交差点】『ニンジャスレイヤー』の作者は誰?

ARG的な演出・手法は近年エンターテイメント業界のあらゆるところで活用され、成功をおさめています。
前回も書いていますが【ARGとの交差点】では、ARG-SIGメンバーのアンテナに引っ掛かった注目の作品、厳密にはARGではないけど参考になりそうなものをARGの視点から紹介・解説していきたいと思います。

今回のお題は『ニンジャスレイヤー』。
書籍は60万部を突破し、漫画は出版社を越えて3誌で連載、ニコニコ動画などでアニメも放送中です。
「これってARGと関係あるの?」という意見もあるかと思いますが、その成り立ちにまつわる見せ方について注目しております。

ニンジャスレイヤーとは?
ブラッドレー・ボンドとフィリップ・ニンジャ・モーゼズのアメリカ人2人によって書かれた小説、とされています。
それを2010年から本兌有、杉ライカを中心とした有志(翻訳チーム)によって日本語訳がTwitter上に連載されました。
その書籍版がエンターブレインから発売されたのは2012年です。

ちょっと間違った日本観と、独特の翻訳、そしてさまざまな特殊能力を持った忍者たちと主人公ニンジャスレイヤーによる復讐劇のエンターテイメント性の高さから多くのファンを虜にしました。

「この原作者の日本観間違ってるwでも面白い!」と思って原作についてネット上で検索してみますが、あまり情報は見つかりません。
このアメリカ人の原作者2人とアメリカ版の原作は本当に存在していたのでしょうか?
原作に関する情報を以下に少しまとめてみました。


●アメリカで出版されたニンジャスレイヤーについての紹介サイトのアーカイブ
2002年に存在していたようです。翻訳チームのメンバーが当時作ったのでしょうか?
http://web.archive.org/web/20021204015543/http://www.nnc.or.jp/~snah/forge/ninja/

●ニンジャスレイヤーのmixiコミュニティ
2005年から運営されているようです。
http://mixi.jp/view_community.pl?id=467346

●原作のサイトのアーカイブ
こちらは2011年からのようです。
http://web.archive.org/web/20110427090145/http://ninjaslayer.onlinewebshop.net/

●SFセミナー2012のニンジャスレイヤー翻訳チームインタビュー
http://togetter.com/li/298013

●原作者2人のインタビュー動画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm26234942


原作者が本当にいるのかどうか?翻訳チーム自身が本当の原作者なのか?
その真偽は定かではありませんが、ニンジャスレイヤーが面白い作品であることは間違いありません。
2002年から仕込んでたなんてそんなことがあるのでしょうか?いや、きっと原作は存在していたに違いありません!
もしかすると、原作に関するエビデンスが今後も見つかるかもしれません。そういったところもニンジャスレイヤーの魅力の1つなのだと思います。
楽しみに待っていましょう。

(文章 H.M.)

関連リンク
ニンジャスレイヤー物理書籍公式サイト
『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』公式サイト
ニンジャスレイヤー - Wikipedia

2015年5月27日

【ARGとの交差点】『キリンチューハイ ビターズ』の極秘資料?

【ARGとの交差点】では、ARGそのものではないけれど、現実空間を使った物語体験や、フィクションが現実空間を侵食していくような体験を与えてくれるさまざまな事例を、これも新旧関係なく取り上げてみたいと思います。1回目の今回は『キリンチューハイ ビターズ』のプロモーションです。

『キリンチューハイ ビターズ』といえば、「『とりあえずビール』を『とりあえずチューハイ」に』」というキャッチコピーや、チューハイ事業部を謀反と呼ぶビール事業部のCMなど、ある意味ビール会社としてどこまで本気なのか分からないネタで話題となった商品ですが、最近「ビターズ酎ハイ事業部の極秘資料編」というスペシャル動画が公開されています。
この動画は、ビール事業部がチューハイ事業部の極秘資料を手に入れるという内容なのですが、おもしろいのは公式サイトで実際にその極秘資料のパワーポイントファイルを本当にダウンロードできるという点です。それまでフィクションだったはずのCM上のビール事業部と同じ体験をリアルにできてしまう訳です。

筆者もそうですが、自分が見てみようと思ってダウンロードしているので、つい普段なら読み流してしまうような商品の特長をちゃんと読んでしまうんですよね。
しかもこのパワーポイント資料、日本マイクロソフトなどで活躍された方が作成しているガチな内容。資料を作る際のポイントなどがノート部分に記されていて、企画書を作る人にとっても有用なテクニックまで学べてしまうというオマケ付きです。
ちなみにパワーポイントを持ってない人やスマホの人も、公式サイトから動画を見ればちゃんとオンライン版で見ることができますのでご安心ください。

(文章:石川淳一)

関連リンク
キリンチューハイ ビターズ公式サイト
キリン ビターズで"謎の極秘資料"ダウンロード!この資料を作ったのは誰か?(オルタナティブ・ブログ)


2015年5月22日

【ARG的ブックガイド】『メカクシ団:ウォッチャーズARG』の関連本

今回から、ARGの視点で参考になったり興味深い書籍を定期的に紹介していこうと思います。
1回目は以前ARG情報局でも紹介したARG『メカクシ団:ウォッチャーズ ~消失少女捜索大作戦~ARG』を書籍にまとめた3冊の紹介です。

 そう、1冊ではなく3冊!
実施されたARGを書籍にまとめるという試みは、マネタイズに課題を持つ国内ARGの1つの可能性だと筆者は考えていますが、今回がさらにユニークなのは、単にリプレイが3分冊になっているのではなく、それぞれの書籍の視点が違うことで結果実施されたARGを多面的に振り返ることができる構造になっているという点です。 ではそれぞれを紹介していきましょう。

 『メカクシ団:ウォッチャーズ リプレイ ~消失少女捜索大作戦 Re;PLAY~』
メカクシ団:ウォッチャーズ リプレイ -消失少女捜索大作戦 Re;PLAY-

KADOKAWA/エンターブレイン
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 1ヶ月半にわたったこのARGを、ドキュメンタリー風に1日ずつ詳細に振り返ったリプレイ書籍。 膨大なプレイヤー投稿をはじめ、ギミック画像や展開タイムライン、コラムでこのARGを追体験できる形になっています。
 時系列でストーリーとARG展開を網羅しているので、ストーリーを理解することも、本件で起きた全ミッションを総覧することもできます。
「ARGってどういう形で作られているんだろう?」ということが知りたい方にも参考になる1冊です。

 『メカクシ団:ウォッチャーズ ノベル ~少女のキモチとぼくらのチカラ~』 
メカクシ団:ウォッチャーズ ノベル -少女のキモチとぼくらのチカラ- (KCG文庫)
土屋 つかさ
KADOKAWA/エンターブレイン
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このARGのノベライズ作品。消失少女とボク、ARGの世話役である作家(一応)Tさん、そしてプレイヤーたちが実名(投稿名)で登場し、それぞれの視点からARGストーリーを描いています。
 ARG本編で詳しく描かなかった登場人物の心象や設定、背景の開示が行われています。「あのミッションの時、少女はこんな心理だったのね」、「あの数列にはこんな意味があったのね」などと実施された物語を新しい視点で楽しむことができます。

 『メカクシ団:ウォッチャーズ アンソロジー ~消失少女をめぐるひと夏の冒険譚~』
 ARGの中で行われた“妄想小説ミッション”に投稿された作品を集めた二次創作のアンソロジーです。 ARGで体験した事件や作戦をベースに書かれた数百編の中から、厳選された6編を収録しているとのこと。
二次創作をまとめる本というのはよく見かけるのですが、この本の場合、ARG中にミッションとして行われた投稿を元にしており、結果ARGのストーリーを補完しているというのがユニークな点です。

 (文章:石川淳一)

関連リンク
カゲロウデイズARG 『メカクシ団:ウォッチャーズ』公式サイト
『カゲロウプロジェクト』のARG、メカクシ団:ウォッチャーズが開始(ARG情報局)

2015年1月7日

2014年体験型娯楽のトピック7選


(この記事は、えぴくすさん(@epi_x)に寄稿していただきました。)
去る12月某日、SIG-ARGの座談会にて、体験型娯楽を取り巻くトピックを持ち寄り、2014年を振り返りました。この記事はその時話された内容をまとめなおしたものです。

なお、自他の区別なく話していましたので、自薦的な内容が含まれることはご了承ください。また、筆者が自分の理解の範囲でまとめたものですので、内容に誤解などがあった場合は筆者に責があります。

座談会参加者(50音順・敬称略) 石川淳一(エレメンツ)・坂本犬之介(オフィス新大陸)・澤田典宏(レイ・フロンティア)・城島和加乃(E-Pin企画)・竹内ゆうすけ(ラ・シタデール)・戸崎茂雄・三原飛雄馬(バンダイ)・三宅陽一郎(スクウェア・エニックス)・えぴくす(記)