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2024年9月10日

【ニュース2024/9/8】コンビニプリントで売上還元/『Project:;COLD』コミック発売 など

9月になりましたが、まだまだ真夏かと思える暑さですね。先週の気になった体験型エンタメ関係の気になった記事やトピックです。今回は2024年9月2日~9月8日の情報から取り上げます。
※なお、実験的にこの記事は石川淳一のnote記事との一部クロス投稿をやってみています。


■TRPGは自閉症の人々に有益な効果をもたらす?


学術誌「Autism」に掲載された論文で、テーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)が自閉症の人々の孤独感や社会的孤立の解消に役立つ可能性がある、とする研究結果。
D&Dが昔から人格形成に悪影響あるとさんざんバッシングされてきたことを思うと感慨深いですね。
ちなみに論文の中では日本の方の研究論文も引用されているとのこと。


■普段入れない場所に入れる埼玉スタジアムの謎解き


いわゆる周遊系謎解きですが、普段入ることのできないVIPラウンジやフラッシュインタビューゾーン、選手ロッカーのエリアを使用しているところが面白い点。
こういった、普段入れないところを利用しながら体験型に活かす手法は分かりやすいニーズだと思います。

■「トイ・ストーリー」の世界でアメフト中継(有料記事)


有料記事ですが、面白い試みなので取り上げました。
ポイントはアメフト✕IPキャラクターという、すでにあるコンテンツ同士の組み合わせで新しい体験を生み出そうとしているところ。
無料部分でも書いてあるように、リアルの試合は1つでも、キャラクター版の試合はトイ・ストーリーなどのIPごとにいくつでも用意できるところも面白い点。

■森美術館で「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」が2025年2月より開催


ちょっと先の話ですが、 東京・六本木の森美術館で「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展が開催されます。会期は2025年2月13日〜6月8日。
森美術館という超メジャーな会場で、ビデオゲームだけでなく、AIについてどのように取り上げるのか注目です。
またちょうど「美術手帖」の最新号もAIを特集テーマにしていて、AIがアート界でも無視できなくなってきているのを感じます。



■コンビニプリントで配布した作品の売上を作家に還元


全国のローソン・ファミマ・ミニストップのコピー機から購入や印刷代金の30%が還元される仕組み。うまく使うと体験型エンタメのコンテンツにも活用できそうです。
pixivFANBOXに登録する必要があるほか、いくつかの制限事項などもあるので詳しくは公式サイトをご覧ください。

■『Project:;COLD case.614』のコミック1巻発売


日本のARG再活性化のはしりとなった『Project:;COLD case.614』のコミカライズ1巻が発売。
『Project:;COLD』の世界がこのように広がると共に、少しずつマネタイズの形ができてきているのは良いことですね。
物語もマンガ化に合わせて上手くアレンジしていたり、単行本だけの仕掛けがあったりと、きちんとARG的な要素が入っているのが楽しいです。

■新人企画者がハマりやすい“落とし穴”



記事はビデオゲームのインディ制作についてなのですが、体験型エンタメ含めあらゆる企画担当者に当てはまる内容なので取り上げました。
ゲーム企画の落とし穴的な記事はけっこうあると思いますが、この記事では具体的に開発しているゲームで実際に起きたことを書いているので、内容がとても分かりやすく伝わってきます。

2024年9月3日

【ニュース2024/9/1】文化祭のお化け屋敷の作り方/サントリーが仕掛けた自販機からの夏休み体験 ほか

 今回から気になった体験型エンタメ関係の気になった記事やトピックを週単位くらいでまとめようと思います。(三日坊主ならぬ三週坊主にならなければよいが……)

今までのミニニュースがURLだけをたくさんのせる形式だと苦労の割に読み物としてあまり読まれないし、後で参照もしにくいなと反省して、この時点で注目すべきトピックや、あとで見返す価値があるものを中心にピックアップし、簡単なコメントもつけていくつもりです。
今回は2024年8月24日~2024年9月1日の情報から取り上げます。
※なお、実験的にこの記事は石川淳一のnote記事とのクロス投稿をやってみています。

泊まれる演劇の舞台裏 Vol.2運営編

『泊まれる演劇』の舞台裏について紹介するnote記事の2回め。あまり表に出ることのない、イマーシブシアターの運営についての記事。特に宿泊型ならではの要素が興味深いです。

文化祭のお化け屋敷の作り方を五味弘文さんが伝授

東京ドームシティなどの人気お化け屋敷プロデューサー・五味弘文さんが、文化祭でお化け屋敷を作るポイントを上げてくれています。
お化け屋敷の作り方を丁寧に説明してくれる内容は貴重だと思います。対象が中高生ということもあって、わかりやすくポイントをおさえているのも良いなと。

広屋佑規氏の新しい挑戦のキーワードはテクノロジーとグローバル展開

ノーミーツでオンラインの演劇などユニークなコンテンツを作ってきた広屋佑規さんの新しい挑戦表明。
特に「いかにテクノロジーを活用して物語体験を代替や応用できる部分を増やし、事業として再現性をもってグローバルに展開していくか」という部分が既存の体験型コンテンツ事業にない視点を感じます。

AIが次世代のエンタメプラットフォームにどう影響するのか


Off Topicの宮武徹郎氏が、a16z Gamesの記事「The Next Generation Pixar: How AI will Merge Film & Games」(次世代ピクサー:AIが映画とゲームを融合させる方法)の内容をTwitterのツリーで簡単にまとめてくれています。

上の広屋佑規氏のテクノロジーの話と重なる部分もあって興味深い内容です。
元の記事はこちら。上のまとめにない内容もけっこうあったので、原文も機械翻訳ででも読む価値あると思います。

The Next Generation Pixar: How AI will Merge Film & Games | Andreessen Horowitz (a16z.com)

第四境界の新しいショップサイトがオープン

第四境界 - Shop (daiyonkyokai.net)

さまざまなARGを展開する第四境界の公式ショップがリニューアル。
注目する機能としては、商品をご購入すると自動的にDiscordでロールが付与され、その商品の非公開チャンネルにアクセスできるようになるとのこと。
また、『Project:;COLD case.674 ALTÆR CARNIVAL』のココフォリア版も配信開始になっています。

本当に開催されていたデスゲームに挑むマルチ対応謎解きADV『ALTÆR CARNIVAL』ココフォリアで配信開始 (denfaminicogamer.jp)

静岡新聞社が「袴田事件」の過酷な取り調べをVRアプリ化

静岡新聞社が「袴田事件」の過酷な取り調べをVRアプリ化 9月26日の再審判決を前に | 株式会社静岡新聞社のプレスリリース (prtimes.jp)

静岡新聞社が袴田事件の過酷な取り調べを再現した「最後の砦」VRを制作したとのこと。実際の取り調べの音声データなどの資料を基に作られているとのことで、このあたりは新聞社ならではの内容ですね。
ゲームではないですが、VRコンテンツの1つの切り口として興味深いと思います。

謎解き・脱出ゲームに特化したポータルサイト「ESCAPE.ID」サービス開始

謎解き・脱出業界の情報を1つのサービスに集約することを目指したポータルサイト「ESCAPE.ID」がサービス開始しました。
まずはTumbleweedの9月公演から取り扱いを開始。今後加入団体も増えていくとのこと。

XユーザーのESCAPE.ID公式さん: 「【加盟団体、続々。】 今後、https://t.co/ITKKMaN1Rzには多くの団体の方々が加盟されていきます。 本日ご紹介するのは、ほんの一部です。 今後の展開もお楽しみに。 #ESCAPEID https://t.co/OXTUrqUbPi」 / X

石川のような地方民だと、東京行く計画を立てたときにどんな謎解きをいまやっているのか確認するのがとても面倒だったので、ぜひ多くの団体を巻き込んで情報やチケット販売機能を充実させてほしいなと思います。

サントリーが仕掛けた自販機からの夏休み体験

【ネタバレ解説】「あの夏休み自販機」の先にあったもの|「あの夏休み自販機」制作チーム (note.com)

チケットが限られていて、体験型エンタメ大好きな人も多数参加できなかったサントリーのプロモーションイベント『あの夏休み自販機』。
記事の内容読むと体験型としてお金とれるレベルの超作り込みでびっくりしました。参加したかったなあ~
どのような意図でサントリーがこのプロモーションを行ったかは下の記事をご覧ください。

小学生の夏休みにタイムスリップ 30代をターゲットにしたコーポレートブランディング、サントリー (advertimes.com)

ARGの熱狂の可能性と危険性を教えてくれるCEDEC講演

日本人の「推し活」と宗教との類似性,そこに潜む課題とは。「消費社会の宗教:ファンダム・カルチャー」聴講レポート[CEDEC 2024] (4gamer.net)

「推し活」と「宗教」の共通点をキリスト教研究者の視点から見るCEDEC講演レポート (denfaminicogamer.jp)

ゲーム開発者向けの国内最大のカンファレンス「CEDEC2024」。
8/21に行われた柳澤田実氏のセッション「消費社会の宗教:ファンダム・カルチャー」は「推し活」に代表される日本のファンダムカルチャーと宗教との類似性についての講演ですが、えぴくす氏はARGの熱狂の可能性と危険性にもつながる話だと指摘。

Xユーザーのえぴくすさん: 「CEDECのタイムシフトを駆け込みで消化してるんですが、 「消費社会の宗教:ファンダム・カルチャー」は、ARGの熱狂の可能性と危険性について、「聖なる価値」という観点から理解するための重要なヒントがある講演でした。」 / X

石川も最近ファンダムとか推し活とかのあり方とARGは参考になる接点が多いなと思っていろいろ本とか読んでいたところなので、とても参考になりました。
講演の中でも触れられている11月発売予定の書籍『リアル・メイキング:いかにして「神」は現実となるのか』はこちら。

リアル・メイキング:いかにして「神」は現実となるのか | ターニャ・M・ラーマン, 柳澤田実 |本 | 通販 | Amazon