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2015年5月22日

【ARG的ブックガイド】『メカクシ団:ウォッチャーズARG』の関連本

今回から、ARGの視点で参考になったり興味深い書籍を定期的に紹介していこうと思います。
1回目は以前ARG情報局でも紹介したARG『メカクシ団:ウォッチャーズ ~消失少女捜索大作戦~ARG』を書籍にまとめた3冊の紹介です。

 そう、1冊ではなく3冊!
実施されたARGを書籍にまとめるという試みは、マネタイズに課題を持つ国内ARGの1つの可能性だと筆者は考えていますが、今回がさらにユニークなのは、単にリプレイが3分冊になっているのではなく、それぞれの書籍の視点が違うことで結果実施されたARGを多面的に振り返ることができる構造になっているという点です。 ではそれぞれを紹介していきましょう。

 『メカクシ団:ウォッチャーズ リプレイ ~消失少女捜索大作戦 Re;PLAY~』
メカクシ団:ウォッチャーズ リプレイ -消失少女捜索大作戦 Re;PLAY-

KADOKAWA/エンターブレイン
売り上げランキング: 398,823
 1ヶ月半にわたったこのARGを、ドキュメンタリー風に1日ずつ詳細に振り返ったリプレイ書籍。 膨大なプレイヤー投稿をはじめ、ギミック画像や展開タイムライン、コラムでこのARGを追体験できる形になっています。
 時系列でストーリーとARG展開を網羅しているので、ストーリーを理解することも、本件で起きた全ミッションを総覧することもできます。
「ARGってどういう形で作られているんだろう?」ということが知りたい方にも参考になる1冊です。

 『メカクシ団:ウォッチャーズ ノベル ~少女のキモチとぼくらのチカラ~』 
メカクシ団:ウォッチャーズ ノベル -少女のキモチとぼくらのチカラ- (KCG文庫)
土屋 つかさ
KADOKAWA/エンターブレイン
売り上げランキング: 35,397
このARGのノベライズ作品。消失少女とボク、ARGの世話役である作家(一応)Tさん、そしてプレイヤーたちが実名(投稿名)で登場し、それぞれの視点からARGストーリーを描いています。
 ARG本編で詳しく描かなかった登場人物の心象や設定、背景の開示が行われています。「あのミッションの時、少女はこんな心理だったのね」、「あの数列にはこんな意味があったのね」などと実施された物語を新しい視点で楽しむことができます。

 『メカクシ団:ウォッチャーズ アンソロジー ~消失少女をめぐるひと夏の冒険譚~』
 ARGの中で行われた“妄想小説ミッション”に投稿された作品を集めた二次創作のアンソロジーです。 ARGで体験した事件や作戦をベースに書かれた数百編の中から、厳選された6編を収録しているとのこと。
二次創作をまとめる本というのはよく見かけるのですが、この本の場合、ARG中にミッションとして行われた投稿を元にしており、結果ARGのストーリーを補完しているというのがユニークな点です。

 (文章:石川淳一)

関連リンク
カゲロウデイズARG 『メカクシ団:ウォッチャーズ』公式サイト
『カゲロウプロジェクト』のARG、メカクシ団:ウォッチャーズが開始(ARG情報局)

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