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2009年9月9日

ARG ≠ AR 技術のゲーム

名前がにているため、しばしば間違えられるのですが、ARG は「AR技術を用いたゲーム」という意味ではありません。

ARG について詳しくは「ARG って?」をご参照いただくとして、まず ARG の AR は Alternate Reality (代替現実) です。

一方、AR技術の AR は Augmented Reality の略であり、「拡張現実」と訳されます。近い用語で Mixed Reality (複合現実感) もありますが、AR という語の方がよく使われるようになりましたね。

Wikipedia の「拡張現実」では、「現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのもの」となっています。

AR 技術は、センサーと大型提示装置を組み合わせた大がかりなものから、カメラ付きゴーグルを被るタイプ、そして最近流行りの、カメラと液晶を持った携帯機器を使用するものまで様々ですが、「コンピュータを使って、人間の見ている現実世界に何かを+αする」ということは共通しています。

そんな AR 技術を使ったゲームとなると……単純な発想は以下のようなものになります。



このゲームは、一般に ARG と呼ばれるものとはかけ離れています。ミステリアスな動画に心惹かれ、広大なインターネットを探索して情報を収集し、仲間と協力しながら謎を解く、という典型的な ARG の楽しみは、AR 技術とはまったく独立したものです。

しかし、もっと広く見れば、これもあるいは ARG の一種と呼べるのかもしれません。

ARG の1つの条件として、現実とゲームの境目があいまいだという要素があります。このゲームでは現実の机の周りを動き回りながら攻撃し、お菓子を机に置くことでアイテムを使うということで、その条件は満たしています。

このように、AR 技術は、現実と仮想の境界を曖昧にするという性質上、定義上は ARG と極めて相性がいいのです。

SIG-ARG の目標の1つに、活動を通じて ARG の定義を考えていく、というものがありますが、AR 技術を利用したゲームというものも、間違いなく考察対象の1つとなるでしょう。

ですが、今現在、一般的には、ARG と「AR技術を使ったゲーム」はまるで違う意味だ、ということはご承知起き頂ければ幸いです。

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