2009年9月29日

コトバカイセツ:Pervasive Game

「Pervasive Game」という言葉を聴きなれない方もおられるかもしれない。「パーベイシブ・ゲーム」と読みます。

Pervasive とは、「普及した」とか、「浸透した」、「いたるところに」という意味です。ここでは、一体何が普及とか浸透したかと言えば、携帯機やユビキタス環境によって、ゲーム或いは、デジタル空間が物理空間に対して、浸透した、という意味です。 「Pervasive Computing」と言えば、コンピュータ、ネットワーク、センサーによって、現実においてユビキタスに構築されたデジタル空間のことを言います。では、「Pervasive Game」と言えば、何を言うのでしょうか?

例えば、
IPerG http://www.pervasive-gaming.org/index.php
では、

“Pervasive Games” - a radically new game form that extends gaming experiences out into the physical world.

と定義しています。

Steve Hinske, Matthias Lampe, Carsten Magerkurth, and Carsten Röcker
 Classifying Pervasive Games:On Pervasive Computing and Mixed Reality
 http://www.vs.inf.ethz.ch/res/papers/hinske-pg07-pervasivegames.pdf

の中では、「Pervasive Game」の定義と分類について詳細に議論されています。

Pervasive Games or Mixed Reality Games offer a new concept that aims atcombining the properties and advantages of these three worlds, the physical and thesocial on the one hand, as well as the virtual on the other hand.

それは、物理的世界、社会的世界、仮想世界、この3つの交差路にあるのが、「Pervasive Game」であり、「Mixed Reality Games」であると述べています。

セカイカメラ http://support.sekaicamera.com/
が、先日、スタートしました。このセカイカメラは、まさに、"Pervasive"な現象であり、これから、「Pervasive Game」は、より一層、大きな展開を見せて行くでしょう。

なので、「Pervasive Game」というコトバを憶えておくと、これからよいことがあるかもしれません。

ARGとの関係はと言えば、もちろん大きく重なる部分があるのですが、いや、殆ど同じと言ってしまえるかもしれませんが、個人的には議論が難しいところかと思っています。

[参考] Pervasive Games: Theory and Design (IGDA)
     http://www.amazon.co.jp/Pervasive-Games-Theory-Design-Kaufmann/dp/0123748534

    Pervasive Computing
http://www2.computer.org/portal/web/pervasive/home

Pervasive 2009
    http://www.pervasive2009.org/

2009年9月28日

ARGシンポジウム2009、Facebookページを開設

ユビキタスエンターテインメント手法による事業創造コンソーシアム主催による「ARGシンポジウム2009」が10月2日に開催しますが、これにともないシンポジウムのFacebookページが開設されました。

また、Twitterでのつぶやきも歓迎するとのことで、その際は共通ハッシュタグとして「#arg2009」を利用してもらいたいとのことです。

記事元
ARG Symposium 2009

逃げ出したスティッチを追え!

ディズニー・オフィシャル・ホームページで、10月13日に放送が開始される「スティッチ〜いたずらエイリアンの大冒険〜」のプロモーションとして、広告から逃げ出したスティッチを探し出すというイベントが行われています。

出没場所のヒントをもとにスティッチを探し出して撮影した目撃写真は、モバイルサイトに投稿することもできるそうです。

スティッチの性格をよく表したプロモーションだと思います。これは結構ARG的といえるのではないでしょうか。

記事元
スティッチ逃走中

世界を変える「プロジェクト 10^100」投票開始

googleが世界を変える革新的なアイデアを募集し、1位になったアイデアは実際に実現するために資金提供を行うというプロジェクト「プロジェクト 10^100」を行っています。

16ある中から1つに対して投票を行い、最も投票数の多いアイデアが採用されるとのことです。
投票起源は2009年10月8日まで。

出ているアイデアは次の通りです(誤訳の可能性あり)

1.税金の使い道をもっと効果的に
2.世界中の誰でも利用しやすい銀行
3.世界中の都市をデータベース化
4.技術者や科学者を有力メディアでプロモート
5.一般市民がニュース配信を行うことのできるサービス
6.新しい移動手段の開発
7.世界中の学生が無料で利用できる教育的オンラインシステム
8.効果的に地雷を除去するシステムの開発
9.起業者を支援する基金の創設
10.透明性の高い政府に
11.アフリカに質の高い教育
12.リアルタイムに追跡できる自然災害システム
13.医療システムの向上
14.技術者と科学者のエンハンス化
15.問題を即座に報告できるシステムの構築
16.大量殺戮の確認と警告のシステムを構築

いずれも実現すれば少なからず世界に影響を与えるアイデアだと思います。これをgoogleは本気でやろうってんだからすごいですね。

記事元
google:プロジェクト 10^100

2009年9月26日

新城カズマ氏がtwitterを使ってリアル鬼ごっこ

星雲賞受賞作「サマー/タイム/トラベラー」を代表作とするSF/Fantasy/ライトノベル作家として、また、かつての「蓬莱学園の冒険!」のグランドマスターとして知られる新城カズマ氏が、本日9月26日の14時から、twitter を使った鬼ごっこのようなことを行うようです。

これは、15人の長い長い24時間を描く大長編作品「15×24」の発売プロモーションの一環として行われるものです。

ルールは簡単。
  • 新城氏は、昨日から23区内の書店を自転車で巡っています。
  • 新城氏が GPS 情報や、周辺風景を twitter の #15c24 でつぶやくので、最終目的地を推理します。
  • リアル部門参加者は、「15×24」を握りしめて、目的地へ回り込むことで、サインがもらえます。
  • 安楽椅子探偵部門参加者は、twitter で @SinjoKazma に推理をつぶやくことで、先着15名にダイレクトメッセージで未発売の続刊の断片引用が届きます。
  • 当てずっぽうではなく、推測の過程と目的地が選ばれた理由もきっちりと。
リアルスコットランドヤードと言ってもいいかもしれませんね。

新城カズマ氏は、twitter を使った「15×24」の先行無料ロードショウを行うなど、さまざまな新しい取り組みをされていますので、今後の活動にも注目です。

追記(2009/09/26 14:15)
大本営発表を読んだところ、ちょっとニュアンスを間違えていた部分がありましたので、修正しました。目的地を次々当てていくのではなく、最終目的地を当てるんですね。

追記(2009/09/26 17:00)
ヒントは、シェイクスピア, ジャンヌダルク, ソニン……ということで、FREMAGA文化祭2009が開催中の渋谷パルコB1F、LIBRO渋谷店が目的地でした。
新城氏の移動経路(Google Maps)

記事元
新城カズマ氏のblog: 散歩男爵 Baron de Flaneur (Art Plod版)
新城カズマ氏の twitter
集英社スーパーダッシュ文庫「15×24」
amazon リンク: 1巻2巻

2009年9月25日

Where 2.0 とは何か?

Where 2.0 http://en.oreilly.com/where2009/public/content/about
は、オライリー社が主催する、位置とテクノロジーをテーマにした、カンファンレンスだ。

"We'll learn how the established geo industry is reacting to the first businesses making money from their grassroots geospatial projects. "
(我々はその起源となった地形位置プロジェクト(訳者:!?)から、 確立されつつあるジオインダストリー(訳者:!?)が、儲けを作る最初のビジネスに、 如何に反応するのかを学ばねばならない)

学術ではなく、かなり、ビジネス指向も強いカンファレンスのようです。

去年も開催されており、以下のサイトに災害援助に関する発表の感想が書かれています。

Where2.0による災害救助支援 
http://easy.mri.co.jp/20081202.html

[参考]
Where 2.0 - Google「Maps Data API」リリース、Geowebの拡大から進化へ(マイコミジャーナル)
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/05/22/where201/index.html

オライリー主催「Where 2.0」の Speaker に選ばれてしまいました  http://blog.myrss.jp/archives/2009/03/where_20_speake.html

フォトレポート:Where 2.0カンファレンスで見るロケーションベース技術(CNET) http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20393574,00.htm

現実世界に仮想タグを重ねていく「セカイカメラ」ついにリリース

以前から話題の「セカイカメラ」が、ついに iPhone アプリとしてリリースされました。

セカイカメラは、頓智ドット株式会社が開発した、AR技術を利用したアプリです。セカイカメラを使えば、誰もが現実世界の今居る場所に「エアタグ」と呼ばれる情報を置くことができます。そうして皆が好き勝手に置いた「エアタグ」を、現実の風景に重ねて表示、閲覧する、というのがセカイカメラの基本的な仕組みです。



「エアタグ」は、文章や写真、音声など様々なメディアデータを持てますので、エア看板やエア俳句など、創意工夫で様々な利用法が考えられます。セカイカメラは、オープンプラットフォームを標榜していますので、ARG でも自由に活用が可能です。

iPhone ユーザに限定はしてしまいますが、特定の場所に行ったらヒントが浮かんでいる、なんて仕掛け、ワクワクしますよね。

東京ゲームショウのコ・フェスタブースでもセカイカメラを体験できるということですので、興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

記事元
セカイカメラ公式サイト「Sekai Camera Support Center」
ITmedia News: セカイカメラがどんなトンチでできているのか、中の人に話してもらった
ITmedia +D モバイル: 「電話、Eメール、次はAR」――「セカイカメラ」の最新デモを見た
iTunes を起動してダウンロード

2009年9月21日

都市がそのままゴルフコースに!?

Conflux 2009「Gigaputt: The City is Your Golf Course」の記事で、自分のいる地域をそのままゴルフコースにしてしまえるiPhoneアプリ「Gigaputt」の紹介がされています。

日本の位置情報ゲームに近い感じでしょうか。
それにしてもiPhoneってすごいですね……。

記事元
Conflux 2009:Gigaputt: The City is Your Golf Course(海外)

スチームパンクARG「Riese the Series」がスタート

ARGNet「Riese the Series: Delivering Transmedia with a Side of Steampunk」によると、スチームパンクの世界観で行うARG「Riese the Series」が今週中に開始されるそうです。

今回のARGは11月上旬に行われる「Riese」のイントロダクションだそうです。
11月以降は出版やモバイルなどのメディアミックスも行われるようです。

スチームパンクは大好きなので、どういう展開になるか非常に楽しみです。
ゲームに参加したら、あのゴーグルとかもらえたりしないのでしょうか……。

追記(2009/09/22 11:00)
開始されたようです。

記事元
ARGNet:Riese the Series: Delivering Transmedia with a Side of Steampunk
The Sect is Here(公式サイト)(海外)
LG15 Today:Riese

「式根島ジオキャッシング」報告

9月13日(当初は12日開催予定でしたが、雨天のため13日に延期)に式根島で行われた「ジオキャッシング」のご報告を、開催された新島・式根島ジオイベント実施委員三好さんから頂いたので、ご紹介させて頂きます。

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式根島ジオキャッシングの様子
日時: 平成21年9月13日 13:00-16:00
場所: 東京都 新島村 式根島 (人口600人、面積4km^2)
参加者: 島内から小中学生22名、大人2名、島外から大人7名(5名はジオキャッシャー)


式根島は海に囲まれた岩の島。温泉もたくさん!


当日は小中学生が20名以上、集まった。


今回のゲームのやり方について説明。


GPSの説明をうける子供グループのリーダー。


ゴミ袋をもって出発。道中は長いよ!


ゴミ拾いだけでなく、宝も探すから大忙し!


子供グループに、ジオキャッシャーがエスコート。


GPSが指し示すところに宝が隠れている。


道中、現れる絶景に圧倒される。


やっと見つけたぞ! 中には何が入っているかな?



ゴミをこんなに集めたよ!! (4つの内の2つのグループ)


最終的にはトラック一杯分のゴミが回収されました。

番外編


大人へのGPS講座


夜の懇親会


帰りの船。つかれた~。


地図 各グループの実際の軌跡。(どくろマークは宝の場所)



各グループの実際の歩行距離

イベントの最後に、ゴミをたくさん拾ったグループ、早く帰ってきたグループ、そしてこの歩行距離の長いグループに各賞が与えられた。

今回のイベントの背景
 東京から高速船で南に2時間半の海上に浮かぶ島、式根島は伊豆七島のひとつです。新島村(新島と式根島を管轄)の商工会が東京都から村の産業振興の資金(シナジー事業費)をもらいうけ、その有効な使い方を住民とともに話し合う機会が6月と7月にもたれました。三好は、新島商工会からの依頼で、その住民参加のミーティングを側面支援する仕事をすることから、新島・式根島に関わり始めました。
 その中で、私の趣味としているGPSを使った宝探し(Geocaching-ジオキャッシング)をつかって、村おこしをするというアイデアが出て、それを式根島で行うことに話が進みました。さらに、単なる宝探しではなく、清掃活動と組み合わせたCITOという社会事業的なイベントにしようということに話が発展しました。

ジオキャッシングとは何か
 Geocaching(ジオキャッシング)は、GPSという位置測定の機械とインターネットを組み合わせて、世界中に隠された宝を実際に自分が探したり、また隠したりするゲームです。Geoは、「地」を意味して、Cacheは「隠された箱」を意味します。つまり、地球上のある場所にある、隠された箱を探す/隠すのです。探すのも隠すのも、参加者です。Geocaching.comというインターネットにあるサイトで、メンバー(無料)になることができます。メンバーになるとそのサイトにある宝「キャッシュ(Cache)」を検索することができます。自分の行きたい地域に宝があれば、それが表示されるので、それをGPSに読み込んで、自分が探しに行きます。GPSの精度は2-5mという非常に正確なものですが、その場所にいったからといって、すぐにキャッシュがみつかるわけではありません。石の下とか、ベンチの裏とか必ずどこかに隠してあります。そして見つけたら、その中にあるもの(キーホルダーとか)をとることができます。しかしひとつ何かをとったら、必ず一つ代わりのものをいれることがルールです。そして中にあるログブックに自分が来たことを書き入れます。そして、もとの場所に戻しておきます。最後にインターネットで、そこを見つけたことを書き入れ、また感想など旅日記みたいに書くこともできます。
 またキャッシュを隠す人は、自分が隠した場所をインターネットに登録すると、そのキャッシュを目指して、プレイヤー(ジオキッシャーといいます)が探しに来るのです。現在、世界で87万個のキャッシュが隠されており、10万人以上のジオキャッシャーがいるといわれています。
 探したり隠したりというゲームとしての面白みもありますが、それ以上に、自分がお気に入りの場所を宝の場所にしたり、また反対に自分がまったくいったことがない場所にいってみたり、その経験の共有こそだいご味と思います。

CITOとは何か
 さて、CITOですが、CITOはCache In Trash Outです。Cache Inは、宝を隠したり、探したりという意味で、Trash Outはゴミを集めて掃除することを意味します。つまり、ジオキャッシングをやりながら、その道すがら清掃活動をしようというものです。日本では、これまで行われたことは1回しかありません(しかもその一回は米軍関係で日本人は関与していない)でしたが、世界規模では、頻度でいうと毎週どこかで行われている社会活動です。Geocachingがどちらかというと個人的な活動に比べてCITOはイベントで、かつ社会的な意義かある活動です。
 今回はこのCITOがあったおかげで、ジオキャッシングが単なる一部の大人(オタク)の宝探しゴッコではなく、コミュニティーの事業として認められたと思います。
 最後に、島外からの参加者の一人のコメントを紹介します。

 2日目(13日)は式根島の子供達とゴミを拾いながらキャッシュハントをしました。皆一所懸命ゴミを拾って、一所懸命に宝探しをしていました。  途中で島の人に会うと「ゴミ拾いご苦労様」と言われました。事前に企画していただいたmiyoshiさんや商工会の方々がPRしてくださった成果だと思います。日本国内でこれほどジオキャッシングに理解のあるところも少ないと思いますので、miyoshiさんのご尽力に感謝です!  2日間にわたるCITOイベント楽しかったです。残念ながら2日目はジェット船の運行休止で早めに切り上げなければならなかったのが残念でしたが、またこのような機会があれば参加したいと思います。 YONEYAMA

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13日は天候にも恵まれ、非常に有意義なイベントとなったようです。
こうした取り組みを行うことで、外部の人の地域への導引だけでなく、地域内での連帯感強化などにも繋がればいいですね!
三好さん、ありがとうございました!

情報元
式根島ジオキャッシング

9月16日〜20日あたりの記事まとめ

仕事の関係でしばらく更新できていませんでした。
この間に起こったARG的なニュースを、ざっとではありますが紹介したいと思います。

位置情報ゲーム「コロニーな生活☆PLUS」を実施(2009/09/15)
近年、GPSや中継基地から自分の位置を測定し、それをゲームに利用する「位置情報ゲーム」が人気を集めているようです。この記事では、同ゲームと旅行をコラボさせることで訴求力を高められるかの実証実験ツアーが紹介されています。

Halo ODST: Discovering Sadie’s Story(2009/09/15)
ARGNetで、Halo ODSTを用いて行われるARG「Sadie’s Story」の概要が紹介されています。

The Lost Ring Case Study
全世界で行われたARG「The Lost Ring」の「Case Study」が公開されました。

Picture the Impossible
地域密着型ARG「Picture the Impossible」が、ニューヨーク州ロチェスターで開始されたようです。

ARG定義とその特徴的効果
「ユビキタスエンターテインメント手法による事業創造コンソーシアム」にも参画されている慶應義塾大学のularaさんが、「ARG定義とその特徴的効果」を説明されています。
とてもよくまとまっている内容なので、ARGを考える上で大変参考になるかと思います。

「くるり×謎の板」がラストクエスト(2009/09/20)

「魂のゆくえ くるり×謎の板」がラストクエストを迎えているようです。
掲示板にはファンによる多くの惜しむ声が寄せられており、今回のARGが一定の成功を収めている様子がわかります。
こうしたARGが日本でももっと広がるといいですね!

2009年9月15日

GoogleでARG開始!?


ニテンイチリュウ「GoogleはARGを仕掛けているのか?」で、googleがARGを行っているのではないかという記事が紹介されています。
9月15日13時現在、googleのロゴがミステリーサークルに変更されており、ロゴをクリックすると「ミステリーサークル」の検索結果に飛ばされるようになっています。

記事によると10日前にもUFOが"o"をさらうロゴになったことがあり、その際はTwitterのGoogleが暗号をつぶやくということも行われていたようです。

暗号は解読され、「All your O are belong to us」というメッセージであることまではわかりましたが、それがなにを意味するかまではわかっていない様子。

今回もその繋がりではないかと書かれています。
まさに現在進行形のARGなので、ぜひ一緒に謎解きを楽しみましょう!

追記(2009/09/15 13:10)
TwitterでGoogleが暗号をつぶやきました。


追記(2009/09/15 19:30)
ITmedia「Google、謎のUFOロゴ第2弾 H・G・ウェルズに関係?」によると、第1弾ロゴ公開時に「キーワードは小説、ミステリー、透明」というキーワードがGoogle Koreaに出ていたようです。
また同記事によると暗号の示しているのを座標として検索すると、H.G.ウェルズ作の「宇宙戦争」の舞台となっている英サリー州ウォーキングを示すとのこと。
これらのことから、今回のARGはH.G.ウェルズがらみの内容であるようです。
(ちなみに、H.G.ウェルズの誕生日は1866年9月21日。この日になにかありそうです)


追記(2009/09/21 11:00)
先日の予想通り、またGoogleの画像が変更されました。やはりH.G.ウェルズがテーマだったようです。画像をクリックすると、H.G.ウェルズの検索結果にジャンプするようになっています。
記事元
ニテンイチリュウ:GoogleはARGを仕掛けているのか?
Google
Twitpic
H.G.ウェルズ
A mysterious series for H.G. Wells(まとめ)(海外)

ベルベットアサシンカフェがARG的試み?

秋葉原のメイドカフェ「シャッツキステ」が、9月14日〜23日の期間限定で行っているイベント「ベルベットアサシンカフェ」でARG的な試みをしているようです。
このイベントはXbox360用ソフト「ベルベットアサシン」とコラボした企画で、「ベルベットアサシン」を体験できるコーナーがあるほか、オリジナルメニューもあるとのことです。

このオリジナルメニューを注文するとチャレンジできるのが、ARG的な試みといえるかもしれない「女スパイを探せ!クイズ」という暗号ゲーム。
店内に女スパイを志しているメイドが隠れているらしく、クイズを解いて暗号を解読すると女スパイの名前がわかるというもの。正解すれば、拳銃(ルガー)を持ったメイドの写真をもらうことができるそうです。

記事元
秋葉原カルチャーカフェ「シャッツキステ」
ベルベットアサシン公式サイト

2009年9月14日

リアルすぎて主要メディアがだまされたARG

TINAGを標榜するARGは、リアルであればリアルであるほどゲームと現実との境界が曖昧になっていきます。
プレイヤーはまるで物語の中に入ってしまったかのような気分でゲームに参加することとなり、プレイに没入していくようになる……これが一般的なARGに対する認識といえるかと思います。

これがあまりにリアルすぎたために、ドイツの主要メディアがノンフィクションと勘違いして報道してしまうという事件が起こりました。

WIRED VISION「ドイツの主流メディア、巧妙な『ネットの嘘』にだまされる」によると、風刺映画「Short Cut to Hollywood」を製作したグループが、ショートフィルムの宣伝を狙ったARG的な試みをしたところ、実際に起こっている出来事と勘違いしたドイツの大手通信社が大々的に報道してしまったとのことです。

実際にグループがどのようなことをやったのかというと、
・(わかっている限りでは)2つの偽サイトの制作
・Wikipediaにニュースサイト「KVPK」に関するエントリーを制作
・カルフォルニア州の電話番号を準備

このような下準備を整えた上で、カルフォルニア州のテレビジャーナリストRainer Petersenという名前でドイツ大手の通信社に電話。報道関係者にローカルニュースサイト「KVPK News」と「ブルーウォーター市のウェブサイト」(どちらも偽物)を見るように指示。この情報を信じたドイツの通信社がヘッドラインニュースを流してしまい、今回の騒動に繋がったという流れだそうです。

記事元
WIRED VISION:ドイツの主流メディア、巧妙な「ネットの嘘」にだまされる

単純ながら訴求力抜群のインタラクティブ犬

beeeeeeeep!「これはすごい、ゲームエンジン「Unity」によるショーウインドーのインタラクティブ犬!」の記事で、赤外線カメラを用いて店先を通る人をトラッキングし、その動きに対して犬が反応するという動画が紹介されています。

仕組みは非常にシンプルですが、なんとなく構ってあげたくなってきてしまいますね。
クオリティの高い犬のデータを作ることができれば、より訴求効果を高めることもできそうです。
しかも使用するデータはなにも犬である必要はなく、たとえば猫でも鳥でも萌え系の女の子でも、再現できるのであればなんでも可能っぽいので、店頭におけるアイキャッチだけでなく、駅で使用すれば町おこし(たとえば土佐の駅では土佐犬を使うなど)にも繋がるのではないでしょうか。

ARGにおいては、SFやファンタジーなゲームを行う際に利用できそうですね。

Sniff from karolina sobecka on Vimeo.



記事元
beeeeeeeep!:これはすごい、ゲームエンジン「Unity」によるショーウインドーのインタラクティブ犬!

PS3・PSPで画像拡大技術は次のレベルへ

engadget「High-res image enlargement tech for PS3 and PSP takes extreme closeups to a new level」の記事で、PS3を使用して画像を拡大していく技術が紹介されています。
この技術では画像の中にさらに画像があると表現したほうがしっくりくるようなもので、ドットのような小さなシミと思いきや、拡大していくとひとつの画像だった、という驚くべき技術が紹介されています。

この技術を使うことで、ARG的なアプローチもできるかと思います。すなわち、なんの変哲もない画像の一部分を拡大していくと特定の情報が記されているなど、応用はいくらでもできそうですね。



追記
2008年にiPhone用アプリとして「Seadragon Mobile」という、同じような技術がすでに公開されているようです。

記事元
engadget:High-res image enlargement tech for PS3 and PSP takes extreme closeups to a new level

ARG「Junko Junsui」におけるIDの提示方法

Twitterと連動したARG「Junko Junsui」。現在も展開中のゲームですが、その中で製作の際に参考になりそうな動画があったので紹介したいと思います。

ARGで謎を解く際に欠かせないのがIDとパスワードです。
国内で行われた「Ryoma the Secret Story」でも、ストーリー展開においてID・パスワードの解明が必要な場面がいくつかありました。

こうしたID・パスワードを導き出す方法は、「Ryoma the Secret Story」のような難解な謎を解く必要があるものから、「あんたがた」のように特定の場所に行くとパスワードの書かれたガムテープが貼られているものまで様々あります。
「あんたがた」のケースではパスワードだけがあれば次の段階に進めますが、「Ryoma the Secret Story」の場合はIDとパスワードの両方を用意しなければ先に進むことができない所もありました。するとひとつの問題で2つの答えを出すか、問題を2つ用意しなければならなくなり、難度のバランス調整がシビアになる可能性があります。というのも、ひとつの問題から2つの答えが出る場合2つの答えをごっちゃにしてしまったり、2つの問題の場合、片方が解けてももう片方が解けないという可能性も考えられるためです。

今回紹介する「Junko Junsui」の動画は、こうした問題に対するひとつの解決方法として参考になるかと思います。

1.Twitter上で「JunkoJunsui」が特定のページアドレスとパスワードをつぶやきます。

2.ページ先で、つぶやかれたパスワードを入力します。

3.動画が見られるので再生をはじめると、動画内でパスワードを入力する場面が出てきます。

4.動画内で実際にIDとパスワードを入力している様子が確認できます。

「Junko Junsui」の場合入力欄の文字が潰れてしまって見えない可能性がありますが、これをよりはっきりとした解像度で見ることができれば、少なくともIDについては自動的に解明されますし、パスワードについても文字数が何文字なのかなど、多くのヒントを与えることができます。

また、プレイヤーが動画に映し出されているサイトにアクセスする機会が出てくれば、物語にプレイヤーが入り込むこととなり、ゲームに対する移入を促進するきっかけにもなるかと思います。

「JunkoJunsui」はまだ未解決のゲームであるため、この動画を含めて今度どのような展開をしていくのか未知数ですが、今回の動画は非常に考えられて作られていると思われるため、せっかくなので紹介させてもらいました。

ARGを製作する際の参考にどうぞ。

記事元
Twitter:JunkoJunsui(海外)
Vimeo:MoT Dubai(記事で紹介した動画)(海外)
Junko Junsui wiki(海外)

映画「アバター」のARG開始か


ARGInsiderのつぶやきで、日本では2009年12月18日公開予定の映画「アバター」ARG「AVTR Program」が開始されたことが紹介されています。提供はコカ・コーラゼロのようです。

公式サイトでは「AVTR Program」に参加することを求めており、TwitterやFacebookを使用して展開もされるようです。

映画「アバター」は、「ターミネーター2」や「タイタニック」などで有名な映画監督ジェームズ・キャメロンによる作品で、構想14年、製作に4年以上をかけた大作となっています。

記事元
AVTR Program公式サイト(海外)
公式サイト(日本)
wikipedia:アバター(映画)

「サーティーナイン・クルーズ3 奪われた刀」9月18日発売


読者が参加できる謎解きイベントもあるリアル・アドベンチャー小説「サーティナイン・クルーズ」の第3巻「サーティーナイン・クルーズ3 奪われた刀」が9月18日に発売されるようです。

今回の舞台は日本。謎解きに読者が参加できるだけに、発刊を機にARGの認知度が広がるといいですね。
なお、価格は945円(税込)です。

記事元
公式サイト
えむえふキッズ:サーティーナイン・クルーズ 3 奪われた刀
ARG情報局:サーティーナイン・クルーズ

エンタメレストラン「NINJA AKASAKA」に行ってきました!

週末、打ち合わせをかねてエンタテインメントレストラン「NINJA AKASAKA」に行ってきました。

「NINJA AKASAKA」は「忍者」をテーマにしたレストランで、施設内は忍者屋敷を模した造りとなっており、隠し扉や迷路のような構造になっていたりと、見た目にも楽しめるようになっています。

「NINJA AKASAKA」をARG的な側面から観察してみると、次のような要素が考えられます。

・入口をくぐった瞬間から、仮想世界の住人になる演出
・席に誘導される過程で、忍者の概要が把握できる工夫
・忍者の概要がわかった上で、「忍者が出すとしたこういうものだろうな」としてある程度納得できる料理が出てくる

つまり、ラビットホールに入ったプレイヤーを巧みに仮想世界へと誘う際の参考として使えそうな内容になっていました。
「忍者」の設定については現実の忍者との食い違いも多々ありましたが、それはそれで納得できてしまうところが面白く感じられました。
忍者に詳しい人も、詳しくない人も、または忍者の存在を勘違いしてしまっているような外国人も、皆一様に楽しめる絶妙なバランスの設定だったと思います。

なお、一番安いコースで7777円。ドリンクを数回頼んで1万円ちょっとという金額でしたが、金額分の楽しさがあるレストランだと思いました(ちなみに料理はめっちゃうまかったです)。

参照元
NINJA AKASAKA

2009年9月12日

リアル脱出ゲーム「ダンスホールの謎」に参加してきました!

9月8日~10日に渋谷で開催されていたリアル脱出ゲーム「ダンスホールの謎」に参加してきました!

リアル脱出ゲームというのは、ブラウザゲームとして一世を風靡した脱出ゲーム(代表作:CRIMSON ROOM)を現実の部屋でやってしまおう、という企画です。SCRAPというフリーペーパーを発行している京都の団体が企画しており、普段は関西圏で開催されています。

今回のイベントは、SCRAP制作のイベントとしては、関東圏で3回目です。各回定員25名×公演5回だったのですが、どうやら全公演満員という人気だったようです。

SCRAPさんのイベント活動は、制作協力という形で行われることが多く、今回も正確には企画・運営はイベント制作会社の株式会社ノットさんでした。会場提供もノットさんで、進行役がSCRAPの加藤さんです。

イベントの模様の詳細は、偶然、同じ回に参加されていた模様な ITmedia Gamez の記事が詳しいので、こちらをご参照ください。

結果としては、40分強という記録的な早さでクリアでした! 確かに、あんな大きな宝箱を見つけ損ねたのはどうかと思います(^^; だがしかし、ブラインドを上げた先にベランダがあるなんて分かりませんって!

さて、ARG情報局としまして、ARG的な側面からの感想を少し。プレイヤーが行う行動は大まかに以下のように分類できます。
限定空間の中の探索
全員で家捜しして、少しでも不自然なものを見つけ出します。身体を使った宝探しの楽しみ。
発見したアイテムの使用法の検討
電源ケーブルなど、用途不明の物が見つかることがありますので、どう使うか考えます。ちょっとした試行錯誤もここの楽しみです。
ルールが判明したパズルの解決
手に入った情報から、ルールが明示されたパズルが出てきた場合、それを解きます。パズルに自信のある少数の担当者が全員の期待を受けて行うことが多いようです。
NPCとのインタラクション
場合によっては、NPC として役者さんが登場し、質問して答えを引き出すような課題が与えられることがあります。また、今回はお酒を頼むと一緒にヒントがもらえるという仕様がありました。こうした運営側人物との生のコミュニケーションというのは特有の楽しさがあります。
集団でのアクティビティの実施
全員で声を揃えて呼びかけろ、などの指示を受けることがあります。全員がプレイに参加してクリアに貢献した気持ちになれます。
こうした個々の要素を分析すると、人間の身体をインターフェイスとして使ったミッションや、現実世界というフレームが曖昧な状態でのゲームルールの発見など、驚くほど典型的な ARG の楽しみ方に近いことが分かります。

典型的な ARG と異なる点はと言えば、まず、場所は密室、時間も1時間という極めて限定された時空間での遊びです。また、ゲーム状態は、フラグが立つと進行するという形で管理されるのですが、そのフラグの立つ条件や、その際の状態進行の様子などは、とてもゲーム的です。そこではリアリティよりもゲーム的な分かりやすさや達成感の演出を優先しています。

ARG の定義の仕方にもよりますが、実際に参加してみて、個人的には十分に ARG と呼んで良いだろうと感じています。

関東・関西合わせると十数回は開催されているようですが、その完成度の高さに驚きました。同時に、あんな事やこんな事ができるんじゃないか、というアイデアも簡単に沸いてきそうで、まだまだ様々な可能性を秘めている若いエンタテインメントだと実感することができました。

単純にとっても楽しいイベントですので、機会がありましたら皆さんも参加してみてはいかがでしょうか。ただ、あまり大々的には告知をしないこともあるようですので、気になる方は SCRAP の Web サイトを丹念にチェックするか、mixi の SCRAP コミュのイベント情報をチェックするのがいいかもしれません。

記事元
日々是遊戯:密室の謎を解き、制限時間内に脱出せよ――。ウワサの「リアル脱出ゲーム」に初参戦! - ITmedia Gamez

1回目・2回目に関する記事
われわれは、なぜ東京リアル脱出ゲームを作ったのか?
ほぼ日ニュース: 閉じこめられた部屋から脱出せよ!『リアル脱出ゲーム』に参加してきました。

2009年9月11日

世界のARGグループ

こんにちは。初めて投稿します。ネタがかぶっていたらごめんなさい。

世界には、どれぐらいARGのグループがあるのでしょう?
最大のARGグループってどれぐらい?

arg.meetup.com
http://arg.meetup.com/



ということを、まとめたサイトがあったので紹介です。
でも、これって英語圏だけじゃないの、という気もします。^^

2009年9月9日

「FAINAL FANTASY XIII ELIXIR」発売を発表

スクウェア・エニックスは、「FAINAL FANTASY XIII」の発売を記念し、ゲーム中に登場する「エリクサー」を実際の飲料として再現した「FAINAL FANTASY XIII ELIXIR」を発売することを発表しました。今冬発売予定だそうです。

以前よりスクエニはポーションを飲料水を発売するなど、ゲーム中のアイテムを現実に再現するという試みを行っています。
ポーションの味は……でしたが(あくまで個人的な感想です)、FFの世界に入ったかのような気持ちを抱くことができた商品だと思います。

今回はさらに回復量の高いエリクサーとのことなので、疲れたときにガブ飲みしてみたいと思います。
できることなら、容器は缶ではなくて瓶にしてもらいたいのですが……。

記事元
ジーパラドットコム:【FF13関連】サントリー:効果3倍!? 今度は「エリクサー」を発売

「代替現実ゲームと消費者エンゲージメント」まとめ

8月17日から10日間にわたって開催された「サマースペシャル企画 10日連続研究会シリーズ」のうち、8月19日に行われたARGに関する講演「代替現実ゲームと消費者エンゲージメント」を紹介しているサイトをまとめてみました。

「サマースペシャル企画 10日連続研究会シリーズ」
コンテンツ学会#2「代替現実ゲームと消費者エンゲージメント」
コンテンツ学会サマスペ第2回

ARG的ブック「LEVEL 26」本日開始

ARGNet「Digi-Novel “Level 26: Dark Origins” Goes Live Today」によると、新感覚デジタルノベルシリーズ「LEVEL 26:Dark Origins」が現地時間9月8日(日本時間9月9日)に発売開始となったようです。
「LEVEL 26」は、海外ドラマCSIのクリエイターであるAnthony E. Zuiker氏の新しいシリーズで、小説を起点としてサイトや映画などのクロスメディア展開を行うとのことです。

ARGNetによると「LEVEL 26」はARGを目指しているわけではないそうですが、ARG的手法を積極的に取り込むことで、より多くのユーザーに読んでもらいたいと考えているようです。

「サーティナイン・クルーズ」に近い印象を受けますが、サイトの雰囲気から察するに大人向けっぽいですね。本には付属品がついているらしく、それを使ってユーザーがストーリーにのめり込むような作りになっているみたいです。

記事元
ARGNet(海外):Digi-Novel “Level 26: Dark Origins” Goes Live Today
公式サイト(海外):Welcome to Level 26: A Revolution in Publishing

ARG ≠ AR 技術のゲーム

名前がにているため、しばしば間違えられるのですが、ARG は「AR技術を用いたゲーム」という意味ではありません。

ARG について詳しくは「ARG って?」をご参照いただくとして、まず ARG の AR は Alternate Reality (代替現実) です。

一方、AR技術の AR は Augmented Reality の略であり、「拡張現実」と訳されます。近い用語で Mixed Reality (複合現実感) もありますが、AR という語の方がよく使われるようになりましたね。

Wikipedia の「拡張現実」では、「現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのもの」となっています。

AR 技術は、センサーと大型提示装置を組み合わせた大がかりなものから、カメラ付きゴーグルを被るタイプ、そして最近流行りの、カメラと液晶を持った携帯機器を使用するものまで様々ですが、「コンピュータを使って、人間の見ている現実世界に何かを+αする」ということは共通しています。

そんな AR 技術を使ったゲームとなると……単純な発想は以下のようなものになります。



このゲームは、一般に ARG と呼ばれるものとはかけ離れています。ミステリアスな動画に心惹かれ、広大なインターネットを探索して情報を収集し、仲間と協力しながら謎を解く、という典型的な ARG の楽しみは、AR 技術とはまったく独立したものです。

しかし、もっと広く見れば、これもあるいは ARG の一種と呼べるのかもしれません。

ARG の1つの条件として、現実とゲームの境目があいまいだという要素があります。このゲームでは現実の机の周りを動き回りながら攻撃し、お菓子を机に置くことでアイテムを使うということで、その条件は満たしています。

このように、AR 技術は、現実と仮想の境界を曖昧にするという性質上、定義上は ARG と極めて相性がいいのです。

SIG-ARG の目標の1つに、活動を通じて ARG の定義を考えていく、というものがありますが、AR 技術を利用したゲームというものも、間違いなく考察対象の1つとなるでしょう。

ですが、今現在、一般的には、ARG と「AR技術を使ったゲーム」はまるで違う意味だ、ということはご承知起き頂ければ幸いです。

2009年9月8日

GEOCACHING

概要
GPS(全地球測位システム)と連動し、実在する場所に隠されている宝物を探すゲーム。座標を示したマップを入手し、その周辺に隠されている宝物を見つけ出したあと、次の人のために宝物を交換して、もとにあった場所に戻すという手順を踏む。

参加方法
参加には、大きくわけて二つの関わり方がある。
・宝物を探す
 公式サイトで宝物の場所を検索語、座標の示した場所で宝物を探す。発見したら、宝物の中に入れられているログブックに発見の記録を記入後、宝物を交換し、元の場所に戻す。
 最後に、発見・未発見に関わらず、公式サイトに探索の結果を報告する(未発見の場合、宝物が想定している場所から失われている可能性があり、それを設置したオーナーに知らせる目的もある)。

・宝物を隠す
 長期間風雨にさらされる可能性があるため、防水性の高い宝箱と、発見者が記入するためのログブック(メモ帳)を用意し、宝物を入れた状態で目的地に隠す。その後GPSで座標を計測し、公式サイトに宝物の情報を登録する。登録後は、宝物がちゃんと隠されているかどうか点検する義務が課せられる。

関連サイト
公式サイト(海外)
ジオキャッシングの楽しみ方
ジオキャッシング(Wiki)
日本語トピック(公式サイトフォーラム内)

グーグルマップを利用したモノポリー 9月9日開始

ITmedia「Google Maps使ったオンライン版モノポリー、間もなく開始」によると、グーグルマップをゲーム版として利用するオンライン版モノポリー「Monopoly City Streets」が9月9日に開始されるようです。

世界中から参加可能とのことですので、是非地元のマップを使ってプレイしてみたいところです。

記事元
ITmedia:Google Maps使ったオンライン版モノポリー、間もなく開始
TechCrunch:Googleのモノポリー:独禁法じゃなくて、ボードゲームの方
公式サイト

名探偵コナン・プレイングミステリー『嗤う黒猫』殺人事件

概要
名探偵コナンが挑む殺人事件の謎に読者自身も参加できるブック型ARG。
米花町で発生した殺人事件の謎を解決したコナンに対して、読者が同じような謎解きに挑戦できる。コナンは殺人事件の解決にあたり、ゲームブック「嗤う黒猫」を手がかりとして事件の謎を解くことができた。読者にもまったく同じ手がかりが与えられるため、一人の探偵として推理に携わることができる。

参加方法
書籍を購入し、公式サイトで登録する。

関連サイト
公式サイト

RYOMA the Secret Story


概要
幕末の志士坂本竜馬をテーマとしたARG。
慶應義塾大学経済学部・ADK・メディアファクトリー・大日本印刷・エリアワークス・アルフレッドコア・オフィス新大陸による「ユビキタスエンターテインメント手法による事業創造コンソーシアム」の一環として、ARGの有効性を検証することを目的とした共同ビジネストライアルとなっている。

あらすじは、坂本竜馬を研究する過程である謎に気がついてしまった教授が突然行方不明になる。それに呼応するかのように教授の孫が誘拐されるという事件が発生し、プレイヤーは孫の救助と教授の行方を探すことによって、坂本竜馬に秘められた謎が明らかになっていく、という内容。

参加方法
3つのフェイズにわかれており、それぞれ参加方法が異なる。
・フェイズ1:「RYOMA:the Secret フォーラム」でメンバー登録を行う。
・フェイズ2:「西谷幕末ゼミ-NISHIYA bakumatsu Semi-」にゼミ生登録を行う。
・フェイズ3:書籍を購入する。(中断)

関連サイト
RYOMA:the Secret フォーラム
西谷幕末ゼミ-NISHIYA bakumatsu Semi-
まとめサイト:RYOMA the secret story wiki
公式サイト:慶應義塾大学経済学部武山研究会


サーティーナイン・クルーズ

概要
アメリカで2008年9月に発売後一大ブームを巻き起こしている人気の小説型ARGの日本語翻訳版。
物語の主人公はある一族の子孫として、39ある手がかりを探す旅へと出発する。39の手がかりを入手し最後の謎を解くことができれば、歴史を変えるほどの大きな力が得られるという話のもと、一族の壮絶な謎解き合戦に巻き込まれてしまうのだ。こうした中、主人公は他の血族の妨害を受けながらも、少しずつ謎に近づいてゆく……。
物語はこのような冒険物語となっているが、実は読者(つまりあなた自身)も一族の一人であり、よって謎解きに参加する権利がある。読者は物語を純粋な小説として楽しむこともできるし、プレイヤーとして物語の登場人物と同じく、39の手がかり探しに参加することもできるのである。

参加方法
「サーティーナイン・クルーズ」を購入後、物語を読み進めながら隠されている謎を解明する。

関連サイト
公式サイト

熱血鑑識官 米沢守のドッキリ事件簿ZERO

概要
テレビドラマ「相棒」の人気キャラクター鑑識官・米沢守を主人公とするオリジナルストーリー。書籍を購入することで、米沢を相棒にしたネット連動のミステリーゲームを遊ぶことができる。

参加方法
「熱血鑑識官 米沢守のドッキリ事件簿ZERO」を購入し、「YONEのドッキリ事件簿web」と連動して謎解きを行う。

関連サイト
YONEのドッキリ事件簿web
警視庁鑑識課広報ブログ「鑑識官のオシゴト」

2009年9月7日

「ARGシンポジウム2009」10月2日開催

ユビキタスエンターテインメント手法による事業創造コンソーシアム主催によるシンポジウム「ARGシンポジウム2009」が、10月2日に開催されます。会場は慶應義塾大学三田キャンパス東館6階G-SECラボ。定員は150名です。

講演者は、2008年、2009年にカンヌ国際広告祭のサイバー部門でブランプリを獲得した「42Entertainment」でチーフクリエイティブオフィサーを務めるAlex Lieu氏をはじめ、ARG研究の第一人者である慶應義塾大学経済学部教授の武山政直氏、メディアファクトリーのプロデューサー三原飛雄馬氏、アサツー・ディー・ケイのプランナー大橋聡史氏など、海外・国内におけるARGの主な顔ぶれが揃うこととなります。

海外ではすでに広く認知されているARGですが、国内においては未成熟と言わざるを得ません。
是非この機会にARGに触れて、ARGの持つ可能性を知って頂ければと思います。

記事元
ARGシンポジウム2009

宝探しで環境保全: 新島・式根島ジオキャッシング

GEOCACHING といえば、GPS を利用した世界規模の宝探しゲームですが、その GEOCACHING を用いて環境保全をしよう!という「新島・式根島ジオキャッシング」が、伊豆諸島で 9/12(土) に開催されるそうです。

GEOCACHING には元々、宝を探しながら現地を美化する CITO(Cache In Trash Out) というアクティビティがありますので、それに則ったイベントということのようですね。geocaching.com にもイベント登録されています。

地元の商工会も協力しているというこのイベント。成功して、広がっていくといいですね!

そういえば、伊豆諸島といえば、あんたがたを仕掛た「あめちゃん」があの辺りにいらっしゃるはずですが……。日本のARG的活動は伊豆から始まるという法則が!?

記事元
新島・式根島ジオキャッシング

月の地形情報を音で聞く「moonbell」プロジェクト

JAXA月周回探査機「かぐや(SELENE)」が月を観測する際に使用した機器の一つ、レーザ高度計(LALT)の高度データを音程に変換して聞くことができるプロジェクト「moonbell」を行っています。

説明によると、「moonbell」が作り出す音は3つ。
・メイン・ノート:地形のいわゆる起伏を音程に変換した音。メロディー的に聞こえる。
・ミッド・ノート:周辺の標高を音符に変換した音。中間の領域で鳴る旋律。
・ベース・ノート:月面の大まかな標高を音符に変換した音。ベース音に相当。


非常に神秘的なプロジェクトですね。
宇宙から得られた情報を音に変換すると、一定の旋律が浮かび上がる……ロマンチック溢れる謎になりそうです。
是非ARGのアイディアとして使ってもらいたいところです。

記事元
moonbell-kaguya lunar sound-

iPhone3GSアプリ「Tokyo Underground」がARを搭載

東京都の地下鉄路線に対応したiPhoneアプリ「Tokyo Underground」がバージョンアップしたことにより、国内向けとしては初めてAR(拡張現実)を搭載したアプリになったとのこと。

「iPhoneアプリをおすすめするAppBank」「東京の地下鉄 : iPhoneのAR(拡張現実)アプリを使ってみたぞ!レポート。」によると、iPhone上に映し出された光景にデータをリアルタイムに表示することで、レストランやコンビニの看板を表示させたり、地面に向ければ駅の方向が矢印で表示されるという内容になっています。

これはもうSFですね。

動画があるので、是非ご覧下さい。



記事元
iPhoneアプリをおすすめするAppBank:東京の地下鉄 : iPhoneのAR(拡張現実)アプリを使ってみたぞ!レポート。
コトハノオト:Tokyo Underground 3.0 for iPhone 日本向けのARナビアプリ登場

Halo3:ODSTのARG「Sadie's Story」開始

XNEWS「Halo 3: ODSTでilovebeesのような仮想現実ゲームキャンペーンを実施」で、Xbox360用FPS「Halo3:ODST」のARG「Sadie's Story」が開始予定であることが紹介されています。
制作は「42 Entertainment」のスタッフが移籍した「Fouth Wall Studios」が行うようです。

Haloといえば、Halo2のプロモーションでARG「I Love Bees」が行われており、今回もかなり期待が持てそうです。

是非日本でも参加できるようにしてもらいたいですね!

記事元
XNEWS:「Halo 3: ODSTでilovebeesのような仮想現実ゲームキャンペーンを実施」
joystiq(海外):Former 'ilovebees' devs working on ODST meta-game 'Sadie's Story'

ARG情報局、本日よりスタートです!

みなさま、はじめまして!
IGDA 日本 SIG-ARG (ARG 専門部会) の epics と申します。

いよいよ本日より、SIG-ARG の情報発信サイト「ARG 情報局」がスタートしました。
これから、ARG (Alternate Reality Game; 代替現実ゲーム) や
その周辺に関する、さまざまな情報を集約、発信していきます!

また、SIG-ARG の対外的な最初の活動でもあります。
今後とも、SIG-ARG と「ARG 情報局」をよろしくお願いいたします m(_ _)m

SIG-ARG って何?という方や、そもそも ARG って何よ?という方もいるでしょう。
詳細は、「SIG-ARG とは」「ARG って?」の各記事に譲りますが、
ARG は、従来のテレビゲームやボードゲームとは違ったベクトルを持つ、
「リアル=現実」がキーワードの新しいゲームジャンルです。

今、さまざまな方向から、ARG に向けた風が吹いています。
技術面ではデバイスのユビキタス化が着々と進行し、
文化面ではマスからバイラルへの流れが来ています。
ゲームデザイン面では、先端技術を追いかけることによる価値上昇が減少し、
ゲームの本質での多様な挑戦を求められるようになってきました。
これらの要素を全て含んでいるのが ARG です。

純粋な ARG に取り組むも良し、従来のゲームに ARG 的な要素をプラスするも良し。
皆さまのそれぞれの立場で、「現実をハッキングするメディア」たる ARG に
興味を持っていただければ幸いです。

SIG-ARG とは

↓のページに移動しました。



SIG-ARG について





ARGとは?

↓のページに移動しました。



ARG とは?





2009年9月1日

名探偵コナン カード探偵団

概要
アニメ「名探偵コナン」のキャラクターと共に事件に挑む、カードを用いたミステリーゲーム。
プレイヤーは謎が記されたカードを購入し、その謎を解いていくことでゲームを進めて行く。進行の過程で現実とリンクした謎も発現するため、通常のカードゲームとは一風変わった遊び方ができる。

参加方法
公式サイトで会員登録を行ったあと、ガイドパックを購入してゲームをプレイする。
カードの答えは公式サイトに入力することでポイントを獲得でき、そのポイントによって「名探偵コナン」のキャラクターから新情報が渡される。これを繰り返し、最終的な目的の解決を目指す。また、一度解いて重複したカードについては、公式サイトに登録することで、推理の際のヒントをもらうためのポイントに変換できる。

なお追加のカードは基本パックを購入する形となる。

※非リアルタイムゲームであるため、いつ参加しても最初からプレイすることができる。

関連サイト
名探偵コナン 探偵団グランドTOP(携帯サイト)
カード探偵団攻略サイト
カード探偵団ファンサイト掲示板